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09月15日-03号

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  1. 飯田市議会 2021-09-15
    09月15日-03号


    取得元: 飯田市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-10
    令和 3年  9月 定例会(第3回)        令和3年飯田市議会第3回定例会会議録               (第3号)-----------------------------------       令和3年9月15日(水曜日)10時00分-----------------------------------日程 第1 会議成立宣言 第2 会議録署名議員指名 第3 一般質問   (1)小平 彰   (2)木下徳康   (3)新井信一郎   (4)佐々木博子  (5)関島百合 第4 議案審議      追加議案(2件)      委員会付託議案      議案第93号から議案第94号まで      説明、質疑及び委員会付託散会-----------------------------------出席議員    23名       (別表のとおり)-----------------------------------欠席議員    なし       (別表のとおり)-----------------------------------事務局出席者       (別表のとおり)-----------------------------------説明のため出席した者       (別表のとおり)     10時00分 開議----------------------------------- △日程第1 会議成立宣言 ○議長(井坪隆君) おはようございます。 現在の出席議員は23名でございます。 よって、本日の会議は成立いたしております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第2 会議録署名議員指名 ○議長(井坪隆君) 会議録署名議員として、新井信一郎君、清水勇君を指名いたします。 次に進みます。 ここで、執行機関側が発言の訂正の申出がございましたので、これを認めます。 宮内市立病院事務局長。 ◎市立病院事務局長経営企画部長(宮内稔君) 昨日の清水勇議員の一般質問に対する堀米院長の答弁に関して訂正をお願いいたします。 PCR検査のCT値に関する資料説明の際、8月の平均値を21.5と申し上げましたが、正しくは21.25でした。おわびして訂正いたします。 ○議長(井坪隆君) ただいまの市立病院事務局長からの申出につきまして、飯田市議会会議規則第65条の規定により、発言の訂正を許可いたします。----------------------------------- △日程第3 一般質問 ○議長(井坪隆君) それでは、昨日に続き一般質問を行います。 一般質問は、それぞれ通告の時間以内で行っていただきます。質問、答弁とも簡潔・明瞭に願い、会議の進行に御協力くださるようお願いいたします。 なお、発言時間において、残り時間1分での質問は配慮していただくよう、議員の皆様にお願いいたします。 今定例会には、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、議会運営委員会において、一般質問における議場に入場できる人数を制限し、分散により実施することを決定いたしております。 なお、執行機関側におきましても、議場への入場者数の削減に御協力を願うことで御理解をいただいております。 ここで、議場への入場者の調整のため、暫時休憩といたします。     10時03分 休憩-----------------------------------     10時04分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、通告順に発言を認めます。 小平彰君。 △小平彰 ◆1番(小平彰君) 改めまして、おはようございます。新政いいだ、小平彰です。よろしくお願いいたします。 コロナ禍及びポストコロナスポーツ振興について質問させていただきます。 コロナ禍で東京2020オリンピックパラリンピック大会が開催されましたが、無観客の中で選手が精いっぱい挑戦し、その姿を見させていただき、スポーツのすばらしさを改めて感じさせていただきました。 新型コロナ感染症予防のため外出を控える方が増加した結果、運動不足やストレスから、心身に悪影響を来す問題が生じてきています。 スポーツ庁によると、新しい生活様式を実践し、中・長期にわたり感染症対策と向き合う中で、運動不足から身体的及び精神的な健康を脅かす第2次被害も懸念されるとのことです。 子供の場合、運動は健康的な成長、発達、体力の向上、将来にわたっての疾病リスク低下基本的動作スキルや社会性の習得等、利点があり、大切な成長期に適度な運動、スポーツをしないと心身の健康に悪影響を及ぼすとも言われています。中・高年齢者については、生活習慣病の発病、体力、生活機能の低下を来すリスクが高まります。適度な運動、スポーツを行うことによって、フレイル、ロコモ、移動障害、健康障害を予防、認知症のリスクを避ける効果があると言われています。 健康な高齢者が2週間家の中であまり動き回らないようにすると、足の筋肉量が3.7%減少したという報告もあります。約3.7年分の老化に相当するそうです。運動、スポーツは元気で長寿につながります。 それでは、通告に従いまして伺ってまいります。 (1)コロナ禍における市民のスポーツ活動の推進について。 ①飯田スポーツ推進計画について、1次計画で子供の体力・運動能力及び成人の日常的なスポーツ習慣の数字を指数や目標値にして政策の進捗を確認してきたと思います。昨日の2番バッターの山崎議員の質問にもございましたが、答弁いただきましたが、改めましてお聞きいたします。 数値の結果はどのような状態だったのでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) まず、子供の体力、運動能力について触れさせていただきたいと思います。 飯田市では、児童・生徒が、運動が好き、やや好きと答えた割合は全国より高い傾向にあります。このことは、しっかりと子供たちの気持ちを大切にしていきたいと思っています。 そして、第1次スポーツ推進計画では、児童・生徒の体力・運動能力調査の総合評価、これは5段階があるんですけれども、5段階の上位2つ、A、Bの割合を全国値以上にするという目標を立てています。令和元年度は38.5%となり、平成27年度より上昇しました。しかし、全国値とは5.3ポイントの差があります。 こうした実態を踏まえて、各学校における体力向上プランによる一校一運動、また登下校時になるべく歩くことを呼びかける学校の取組の推進、さらにはコーディネーショントレーニングなど、様々なスポーツに触れる機会の充実に取り組んでいるところです。 一方、日常的なスポーツの習慣の定着に関してですが、市民意識の調査では、週に1回以上スポーツに親しむ人の割合を45%以上にするという目標に対して、令和元年度は48.2%と目標を達成しています。平成27年度より9.4ポイント上昇したことになります。 一方、4割の市民はスポーツを行う機会がなく、仕事や家事の多忙が一番の理由となっています。誰でも気軽に楽しめるウオーキングニュースポーツの普及、市民が参加できるイベントのほか、障害を持っている方々もできる、そういったスポーツを楽しむ機会の創出に取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) 飯田市の子供たちがスポーツが好きか嫌いかという結果を見て、高評価というところで、スポーツを推進していくためにはいい土台がある、いいベースになっていると思います。子供たちがスポーツに出会い、スポーツを好きになってもらいたい、基礎体力向上のために努めていただきたいと思います。 また、成人の日常的なスポーツ習慣は、複合的な要素もあると思います。ワーク・ライフ・バランス、働き方改革、民間のスポーツクラブの地域差による件数にも影響すると思います。 先ほどおっしゃったウオーキング、非常にいいですね。簡単にでき、出会う人たちとのコミュニケーションも取れるということで、大変よいと思います。各地にウオーキングコースマップ、こんなものがあればいいのかなと思います。ぜひよろしくお願いいたします。 また、障害者の方も一緒に楽しめるスポーツ、これも必要だと思います。健常者も応援する、一緒にやる、こういうコミュニケーションが非常に必要だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 次に、全市型競技別スポーツスクールの状況はですが、飯田市とスポーツ協会と共に立ち上げが始まっているわけですが、概要の説明をよろしくお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 飯田市が始めた全市型競技別スポーツスクールは、3年前より飯田市スポーツ協会と協働して取組を進めております。令和元年度は試行的に実施し、1月の1か月間、8種目、そこに603名の生徒が参加をしました。昨年度、本格的な実施となった令和2年度ですが、13種目、1,380人の中学生が参加をしています。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 種目数も増えているというところで、部活動がオフのときにも、もっと練習してみたいという人や初めてチャレンジしたい、運動してみたい、そんな人たちが入るわけですが、レベルが非常に違うというところもあるかと思います。それぞれに選択したスポーツスクール内での教え方の対応はできているのでしょうか。
    ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 令和2年度、1,380人が参加したと、この内訳を調べてみました。そうすると、参加者の82%は、所属する部活動と同じ種目に参加をしています。つまり、バスケットボール部の子供たちはバスケットスクールに参加をしているという状況です。 一方、残りの15%は、所属する部活動とは違う種目に参加しています。さらに3%は、文化部や部活動を行っていない、つまりスポーツをふだんしていない生徒という状況が分かりました。当然、私たちとしては、18%の子供たちもしっかり育んでいきたいわけですが、どうしても長期にわたると技術差、スキルの違いが出てくるので、指導方法にも問題や課題が出てくるということが明らかになってきました。そういった課題を鑑みて、今年度より、いわゆる同じ種目で同じスクールに行く、つまりもっとうまくなりたいと願う競技力向上のスクール、もう一方で、新しいスポーツに挑戦してみたい、体を楽しく動かしてみたい、こういったいわゆる所属する部活動とは違う部活動、ふだん運動していない子供たちを対象にした体験型スクール、この2つのスクールの2本立てで始めています。 実際に7月に開始したわけですけれども、アーチェリーや空手のほか、学校に出張するようなスクールも行い、19名の生徒が参加している、そんな実績です。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございます。 体験型スクール、7月の結果はどのような状態だったんでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 7月からその2つのコースの中で、特に体験型スクールを行ったわけですけれども、繰り返しになって恐縮ですけれども、アーチェリー、空手など体験型のスクールに19名の参加者がいたという状況です。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 市民からも楽しい、新しい、やったことがない、そんなスポーツもあり、興味がありよかったと聞いています。 今後の全市型競技別スポーツスクールの見通しをお伺いしたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 現在、コロナ感染のレベルが高い状況にあり、社会体育と連動しながら、今中止となっているところであります。ただ、このコロナ感染のレベルが下がり、他校との交流ができる状況になったら、しっかりと始めていきたいと、そんなふうに思っています。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) スキル、興味、こんなものをどんどん上げていただいて、子供たちがスポーツ、冒頭に言いましたが、大切だというところがあると思いますので、また大きな変換期を迎えております。引き続き注視させていただきますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、③市内のスポーツ施設の状況についてお聞きしたいと思います。 まず、コロナ禍での利用状況について、新型コロナウイルスが2020年1月中旬に日本国内で初めて検知され、急速に広まり、飯田市でも感染症が報告されました。そして、未曽有の中、生活が変わり、運動、スポーツも抑制されたと思います。 そこで、飯田市の利用できる社会体育施設で、コロナ前、前年、昨年ですね、屋内、屋外の利用状況が分かれば、教えていただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) コロナ禍におけます社会体育施設の利用状況について御質問いただきました。 社会体育施設の利用状況につきましては、令和元年度、コロナ禍前でございますけれども約40万人ございましたけれども、コロナ禍の令和2年度につきましては約27万人ということで、対比しますと68%減少しております。また、屋外、屋内の施設の別ですけれども、運動場、テニスコート等の屋外施設につきましては、前年度対比62%、体育館、柔道場等の屋内施設につきましては、前年度対比75%という状況になっております。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) 分かりました。 屋内のほうが大きく減ったということですね。運動会等の大きなイベントが減ったのでしょうかね。コミュニケーション不足というところも非常に懸念されます。 続きまして、新型コロナウイルス感染予防対策についてお伺いしたいと思います。 コロナ禍での感染レベルの基準等により利用できる場合、安心して利用者が使えるようにアルコール等の設置の有無、また利用者にはどのような利用方法をお願いしているかお聞きしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委参員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 屋内施設につきましては、検温機器、またアルコール消毒液の設置、定期的な換気やドアノブ等の消毒等を行っています。 また、これは屋外、屋内問わずですけれども、社会体育施設を御利用いただく皆様方には、感染予防のチェック項目とお願い事項を記載したチェックシートをお渡ししておりまして、これによりマスクの着用、利用者の把握、体調管理の徹底、施設内での飲食の制限、観客の皆様を含めての大声を出さない対応、こういったことをお願いしております。また、特に夏季期間については、熱中症対策もございますので、これも併せて周知をさせていただいております。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 しっかりやっていただいているようで、引き続きよろしくお願いいたします。 続きまして、ウのトイレの洋式化計画はという質問をさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症予防とは直接は関係ありませんが、市の5か年計画にも出ています。本年度の計画内容を教えていただきたい。また、併せて洗面所の蛇口の感染も見受けられるということがございます。これは考え方で結構なんですが、感染予防のため人感センサー蛇口、また人が多数触れる照明のスイッチ、これも人感照明に変えるとか、そんなことも踏まえた計画があるかお聞きしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) まず、トイレの洋式化につきましては、昨年度策定いたしました飯田市教育委員会施設等総合管理計画に位置づけておりまして、男女別の区画に最低1か所の設置を行うこととしております。 今年度につきましては、飯田市武道館、総合運動場、切石体育館、松尾天竜グラウンドの整備を終えておりまして、48施設のうち、現在のところ22施設が整備済みとなっておりまして、洋式化の進捗率とすると45.8%という状況になっております。 また、人感式の蛇口や照明の設置について御質問いただきましたけれども、まだまだ県営施設の一部での設置にとどまっておりますので、これにつきましては洋式化と併せて、今後検討してまいりたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 それでは、いろいろな対策、これからアフターコロナに向けて必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、④スポーツ指導者の育成はどのように行っていくのかというところで、飯田市における様々なスポーツ活動に対して指導者が必要だと思います。技術的なものもそうですが、楽しみながら、また規律や社会性も養える指導が不可欠な時代だと思います。 そこで、研修や資格取得への取組はどのように行われているかお聞きしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 議員に御指摘いただいたスポーツにおける指導者の育成、これは大変重要なことだと教育委員会も認識をしております。 その一つとして、飯田市スポーツ協会が資格取得を支援する制度を設けています。日本スポーツ協会公認スポーツ指導員資格を取得するために必要な受講料や登録料の費用が支援対象となっています。 また、教育委員会が委嘱するスポーツ推進委員会においては、救命講習会、障害者がより身近で運動やスポーツができる環境整備を支援する団体のサポートスタッフ講習会などに参加し、市民のスポーツ推進のための指導、助言が行えるように取り組んでいます。 その中で、指導者は多様なスポーツに対応したスキルが今求められており、今月連携協定を締結した筑波大学のアスレチックデパートメントの専門的な知見に基づく助言を受けながら取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) スポーツ指導員、非常に大切だと思います。皆さんに声をかけてやっていただく方、そういうのも必要だと思いますので、お願いいたします。 筑波大学のアスレチックデパートメントについて詳しくお伺いしたいと思います。お願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 今、スポーツ科学というのは日進月歩で大きく前進をしています。それに併せてスポーツに対する思考、考え方も大きく変化をしております。 ところが、スポーツ現場では指導者の指導スキルや考え方、こういったものがなかなか変わっていかないという課題もあるのが現状です。こうした課題意識をこの筑波大学のアスレチックデパートメントは持っており、アメリカの大学スポーツ局の研究を経て、2018年4月に設立した組織であり、スポーツの健全化、スポーツの価値の最大化をビジョンに掲げています。 飯田市とは、こういった最先端の知見を提供していただきながら、指導者へのアドバイスを含めた具体的な助言をいただきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 社会的にもプロスポーツのほうでもありますが、鬼コーチをつくらないようによろしくお願いいたします。 また、せっかく日本一、世界一になった選手も後でコーチを告訴したということもありますんで、本当に教育と資格取得をして、いろいろやるということが必要だと思いますので、今後ともお願いいたします。 また、取得後のお金のほうもかかるということも聞いておりますので、このほうも御検討ください。よろしくお願いいたします。 続きまして、市民のスポーツの要望についてお聞きいたします。 ア、市民がスポーツをしたいときのガイドということをお聞きしたいと思います。 今回のオリンピックで新種目のスケートボードがあり、飯田にはそのようなものはないと思っていたんですが、室内スケボーパークがありました。また、スポーツクライミングも飯田市にありました。飯田市のスポーツ文化の中に民間の施設を取り入れて、市民の皆さんがいろんなスポーツにチャレンジできるということがいいと思います。市民の皆様からもいろいろ要望をいただきます。場所が確保できないという問題もいただきますが、何かスポーツをしたいときにガイド的な部署はございますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 市民の皆様がスポーツをされたいときのガイド的な案内部署でありますけれども、これについては教育委員会の生涯学習・スポーツ課がこの窓口として対応しております。市民の皆様から多様なお問合せがあった場合には、この生涯学習・スポーツ課のほうで、公益財団法人飯田スポーツ協会、あるいはスポーツ少年団社会教育関係団体に確認をさせていただくなどして御案内をしております。 また、担当職員のほうでは、広く情報収集を行って対応ができるような取組をしてございます。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 民間の情報も含め発信できるということでございます。スポーツを、運動を行うだけでなくて、スポーツの関係の展示を見て楽しむ拠点というかプラザ、会館、そんなこともあると市民がスポーツをやってみようというきっかけになるのではないかと思いますので、御検討のほうよろしくお願いいたします。 続きまして、南信州広域連合で検討を進めていますアリーナの検討状況をお聞きいたします。 令和3年3月の定例会の熊谷議員の一般質問で、平成29年に2万5,000人による署名の下、要望書提出、30年の候補地、また同年のコンサルタントの基礎調査を受け、課題や今後の方向性の協議、そして31年の2月にリニア時代に向けた新施設の整備に向ける基本的な考え方の案が示されたが、状況が見えてこないと質問され、市長は令和3年度、本年ですね、議論を再開したいと答弁なされました。熊谷議員のおはこを取るわけではございませんが、市長の50の構想の中にも南信州広域連合アリーナ設備構想については、優先順位、財政計画等、また住民の皆さんと徹底的に議論をしながら検討していくと言われております。非常に市民も気になっているところでございます。本年度に入り、どのような状況になっているのかお聞きしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 塚平総合政策部長。 ◎総合政策部長IIDAブランド推進課長(塚平賢志君) 南信州広域連合のアリーナの検討状況ということでございます。 今、議員からいろいろ御発言ございましたので、過去のことはそのとおりでございまして、前回のときにも申し上げましたが、広域連合で令和2年度に、アリーナ単体ではなくて、リニア駅周辺の施設と連携して実施します地域振興ビジョンの策定を進めることとしておりましたが、コロナウイルスの急速な進展ですとか、夏の豪雨災害への対応を優先したということで、これは令和3年度になったというところでございます。 令和3年度になりまして、広域連合のほうでは、現在、各ブロックに分かれましてリニアビジョンの策定を進めております。これは飯田市も参画をしております。議員御指摘のとおり、市長の発言がありましたが、飯田市としましては、このビジョンの策定には積極的に関わっておりまして、アリーナの複合施設を含む地域の将来像の策定をリードしてまいりたいということで進めているところでございます。以上です。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。楽しみにしております。 新型コロナウイルスにより新しい生活様式を迎え、アリーナ構想も大きく変わると思います。地元の人がスポーツができるアリーナなのか、観戦するアリーナなのかと、リニア時代を迎え、今まで遠路で苦慮していたアリーナやドームに行くことが早くなります。維持管理も含めると大きな施設の必要性もないのかと思うこともあります。ホールクラスなのか、アリーナクラスなのか、南信州広域での検討とともに飯田市のスタンスを至急始めるようぜひよろしくお願いいたします。 また、飯田市のスポーツ施設が貧弱という言葉で市長もおっしゃっていますが、まさしくそのとおりだと思います。全体像を計画して、それぞれの施設を検討していかなければならないと思います。その中で、グラウンドの芝生化とテニスコートの照明の検討についてということをお聞きします。 まず、芝生グラウンドですが、野球やサッカー、ラグビー、大きなスポーツ大会でも予選会場は土のグラウンドで行われて、決勝は芝生が生えそろった競技場で行われることもあります。芝のグラウンドで練習をしていないと、走り方、止まり方、ボールの弾み方、またボールが若干浮くので、蹴り方も変わります。また土等の硬いグラウンドは膝を痛めるとも聞きました。天然芝生や人口芝、ハイブリッド芝などのグラウンドは、土や砂が飛び散らない、地表温度を抑え、ヒートアラウンドの減少、温暖化の抑制、転んでもけがの軽減、そして景観の向上による癒やしもあると思います。 昨年の第4回定例会で原議員の代表質問で、佐藤市長が飯田市だけで芝生グラウンドを造るということではなく、この地域全体に芝生グラウンドがあるという環境をつくっていく必要があり、今後、関係町村に相談をさせていただきたいと考えておりますと答弁をされて、市民は非常に期待しております。コロナ禍で進捗も厳しいと思いますが、進捗状況をお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) グラウンドの芝生化につきましては、飯田市の教育委員会施設等の総合管理計画にも位置づけをして、飯田市スポーツ協会をはじめとする各種団体と連携をして、整備に向けた検討を進めるという位置づけをしております。 これまでスポーツ議員連盟の皆さんとも視察等したりしてきておりますけれども、こういった施設の視察、また天然芝と人工芝の選定がございますので、それぞれの整備費、維持管理経費、また後処理を含めた環境配慮等についての情報収集を進めてきております。 今後、飯田市スポーツ協会や主たる利用を行う競技団体、また広域的な視点も持ちながら、どのような競技種目に対応して、どのような用途に即した整備をしていくのかというところの検討をさらに進めていきたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございます。 進んでいるということを理解いたしました。いろんな新しい商品もありますので、検討していただいて進めていただきたいと思います。 続きまして、テニスコートの照明、夜間照明ですね。これもスポーツ協会からの要望が上がり、整備計画を進めていきたいとお聞きしていますし、議論もされています。状況をお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) テニスコートの照明につきましては、これも飯田市教育委員会施設等総合管理計画において令和3年から7年の期間中に整備をしたいということで位置づけをしております。 現在、飯田市スポーツ協会を通じて競技団体の意向を確認して、今のところ2つの施設を候補にしまして、いずれかの施設に整備をすべく、整備方法や整備費の検討を進めておるところでございます。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございます。 進んでいるということで安心いたしました。いろんな施設が老朽化しております。いろいろ手をつけなければならんと思いますが、よろしくお願いいたします。 締めくくりといたしまして、ポストコロナを踏まえ、スポーツの在り方をどう考えるかというところをお伺いしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) ポストコロナを踏まえたスポーツの在り方という御質問ですけれども、まず今のこのコロナ禍の中で、学校においても体育やスポーツ活動が制限され、子供たちの体力低下も懸念されているところです。 また、飯田市の主催するやまびこマーチ、風越登山マラソンも昨年度中止となり、今年度、1コースでありますが、やまびこマーチが開催し、参加者からは、2年ぶりの開催を本当に楽しみにしていましたという声が多数寄せられました。改めてスポーツコミュニティー、生涯スポーツを含めたスポーツの力というものを感じているところです。 先ほど全市型競技別スポーツスクールの話に触れましたけれども、それぞれの団体が力を合わせる、ポストコロナに向けて力を合わせるということが必要ではないかというふうに思っています。この競技別スポーツスクールをつくり上げるに当たっては、市の校長会やスポーツ協会の各競技団体が力を合わせています。様々な課題もありますけれども、試行錯誤している段階であり、着実に前進していると思っています。 また、スポーツの文化をしっかりと醸成するということで、スポーツをすることだけにとらわれずに、見ることを楽しんだり、支えることにも関わっていくことが大切な要素だと思っています。こうしたスポーツ文化を醸成することで、人生100年と言われている時代です。生涯スポーツの推進、コミュニティスポーツの推進を図りながら、飯田市スポーツ推進計画の基本理念である「人と地域が輝く社会(まち)」の実現を目指していきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 小平彰君。 ◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 コロナ前の状況からコロナ禍、そしてポストコロナに向けての状況をお聞きしました。コロナ禍で審議や計画進捗も進めにくいわけですが、できる方法を考え、すぐやる、このことがポストコロナでいち早く立て直せる行政になると思います。新しいスポーツニーズにも対応していただき、飯田でプロスポーツの観戦も増えるといいです。私も市民の意見を聞き、執行部の皆様と共に住みよいまちづくりにチャレンジしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上をもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、小平彰君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     10時34分 休憩-----------------------------------     10時40分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 木下徳康君。 △木下徳康 ◆16番(木下徳康君) 新政いいだ、木下徳康です。 この第3回定例会の質問は、安全対策、災害等復旧についてを聞きます。 今年も先月11日から降り続いた大雨で、当市においても多くの被害がありました。昨年の7月豪雨をはじめ被害が出ております。豪雨による災害が多発することは常態化してきているという認識は私のみではないと思います。 そのとき、被災箇所があるならば、平生の生活のため、すぐにも来るかもしれない次の災害のため即復旧することが安全・安心につながると思います。早期復旧が安全・安心につながるという意味では、交通事故などで損傷したガードレール等の復旧も同様だと思います。また、倒木による被害の防止についてもお聞きしています。 まず、車両事故による防護柵等損傷の復旧についてを聞きます。 防護柵はいわゆるガードレールが主ですが、その破損を私はこの1年間に2か所確認しました。そこは、どちらも人は無事だったようです。しかし、もしこのガードレールがなかったとしたら車は川に転落していたと思われましたので、設置は必要だったと思いますが、そこでは支柱も抜けておりました。そのような状態で同じような事故が起きたらと案じられました。 それでは、車両事故などで破損が年間にどのくらい発生しているのか、またその復旧にはどのぐらいの日がかかっているのかお尋ねします。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 令和2年度の実績でお答えしますけれども、令和2年度、全体で30件発生しております。それで、復旧に要した期間は、最短で6日間、最長では100日、平均で30日程度で復旧しておるという状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 発生件数、復旧期間、今示していただいたような数です。これはどう思われますでしょうか。 私が知るその2つのうちの1つは、1か月半強で復旧されておりました。そこの場所に設置されていたガードレールは、道路と歩道の間にあって、そこは児童・生徒や学生も通っているところでした。近所の人からはいつ直るのかという声もいただいております。 いずれにしても、この復旧には時間が短いほうがいいと私は思いますが、その意味で事故発生から復旧までの手順はどうなっているのかお尋ねいたします。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 通常の場合ですけれども、事故の当事者、または当事者の加入保険会社などからの連絡等によりまして原因者を特定しまして、市で現地確認を行った上、原因者への原形復旧を依頼しておるという状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 基本的に損傷した、させた本人、原因者、あるいはその代理の保険会社が修理、復旧するものだというふうにお聞きしました。 復旧期間は短いほど安全・安心につながると、くどいようですが私は思いますが、このことについて市はどう考えられますでしょうか。お尋ねします。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 当然市といたしましても復旧期間が短いことが望ましく、できる限り早期の復旧をお願いしておるという状況でございます。 また、事故の状況によりまして道路の利用に障害や危険がある場合は、市で応急処置を実施しておるという状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 復旧の期間が短いほどいいという点では合意ができたと思います。 それで、管理者である市がこの復旧を、今、安全対策はされているというふうにお聞きしましたが、もっと根本的に短縮はできないものかというふうに考えますが、お考えがあればお聞きします。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 復旧期間が短縮されるということは大変望ましいことなんですけれども、現状では道路の利用に障害や危険がある場合、応急処置を実施しているという現状から、繰り返しになりますけれども、原因者へ早期に復旧工事をしていただくようにお願いしているということでございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 御説明の中で、原因者に復旧する責任があって、その施工も原因者もしくは代理人の発注によるものによって工事をするということです。壊した人が直すのは当然でありますし、しかし、市としては今お聞きしたように応急処置等、あるいはお願いをしていくという立場かと思います。 そこで、こういうふうに考えるのですが、この工事をまず原因者にお願いするのではなく、この工事自体を市が行ってはどうかというふうに思います。それで、原因者にはその費用を後から弁償してもらうという形にできるとすれば、この復旧期間も市が管理ができますので、復旧までの期間を短縮することが可能になるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 事故の程度によりその対応というのは多様でございますけれども、損傷の規模が大きいなど、応急処置のみでは利用者の安全が確保できないといった事案の発生も想定されるケースもあるため、道路管理者である飯田市が直接復旧工事を施行し、その費用を原因者へ負担金として請求する方法について、復旧に要する期間及び事故当事者の意思の確認等、そういったものを鑑みながら、実務的な課題も含めて、実現可能かどうかという点については研究してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 市が直接工事を行い、原因者には弁償してもらうという形を検討していくというふうにお聞きました。それはぜひお願いしたいと思います。 それを検討する上で、この復旧方法を今までと変えることを当然検討していただくわけですけれども、そのときに保険会社等との調整が必要かと思われます。それらも含めて検討をお願いできますでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 当然ながら実質的に費用を負担する保険会社等、庁内だけにというわけにはいきませんので、外部の意見も取り入れながら進めてまいりたいというふうに思います。 ただ、ケース・バイ・ケースということも想定されますので、現行のやり方と、それから、今これから研究を進めてまいりたいと申し上げた方法と、どういった方法が一番適切か、早期に復旧できるかという観点から見てまいりたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 御答弁としてはよく理解できます。現行法と、全てを私が申し上げたような市がまずやるということに、この2つがあると思いますが、並行して検討されるということは私も望むところです。 ちなみに私の加入している車両保険の保険会社に尋ねたところ、こういう件について、市の指示があれば、その対応には問題ないというような話を聞きました。ぜひお願いしたいと思います。 それで、そういったことを考えて、今の検討というのはどのぐらいで結果をもらえるものなのでしょうか。もし方向性があればお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 当事者を除いた保険会社等々ということになりますけれども、保険会社も多様にあるということ、それから1つは保険会社との話が出来上がっても、その後、実際に現場をやる施行される方の都合云々ありますんで、そういったことも総合的に判断しながら研究していくということになるかと思いますけれども、どれぐらいの期間で検討するかということも、早速今、常に起こり得ることですので、検討は始めたいと思いますけれども、ただ、そういったことを総合的に見たときにどのぐらいの期間でということは、ちょっとお答えできないかなというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 了解いたしました。 しかし、こういった瑕疵がある状態で長い間あるとやっぱり危険になりますので、それは早期復旧を目指していただきたいと思います。 ちなみに復旧までのこの期間ですけど、先ほども説明がありましたが、この安全対策としてコーンやテーピング、あるいは夜間の点灯表示などがされています。今後はこの検討が進んで、「何月何日修理予定」あるいは「工事何月何日」などの看板を立ててもらえれば、さらにいいと思います。 次の質問に参ります。 災害等復旧について聞きます。 昨年の7月豪雨の後、9月の定例会で井水、排水路や倒木による通行止めの未然防止についてお聞きしております。今回はその復旧の状況を聞きます。 昨年の7月豪雨の復旧状況は現在いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 令和2年度発生の災害における工事及び委託の発生件数は、全体で1,027件でございます。令和3年8月末、先月末で竣工しております件数が1,007件という状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) かなりの数を復旧させられているというふうにお聞きしました。 昨年の7月豪雨による膨大な被害箇所を復旧されてきたこと、御答弁いただいた部長をはじめ市の担当各位に敬意を表します。また、事業者の方も従来の工事もある中、この工事を優先するなど大変な御尽力をいただいていることと感謝申し上げます。 一方で今、20件ほどですかね、まだ未復旧のところがあるというふうにお聞きしました。この残っている工事、その残った理由等もお聞かせ願えればと思いますが、いかがでしょうか。 今年も先月の13日から15日にかけての豪雨で被害も出ておりますし、まだ台風も心配であります。改めてお聞きします。未復旧となっている状況は、現在いかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 8月末現在、20件が未竣工という状況でございますけれども、未竣工となっております理由といたしましては、1つは大規模な復旧工事であること、それから河川復旧後に行う道路復旧工事、いわゆる施工の順番によるもの、それから工事の実施時期が渇水時に限定される河川が関係する箇所等が未竣工、こういう状況になっております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 河川、井水、それに付随する道路などに瑕疵がある場合の復旧は、基本、即座にするべきでありますが、今お話しのように、渇水期を待って行う必要がある場合があると思います。この場合でも逆算して考えますと、災害があった年度内に発注ができないとすると梅雨の時期を迎えてしまい、渇水期を待てば2年後の復旧となります。やはり遅くとも翌年の梅雨、台風シーズンには復旧を終えていることを望むわけですが、国・県の査定、工事の大小、施工の事情もあるでしょうから、復旧が遅れる場合には丁寧な地元説明が必要ではないかと私は思います。早期復旧のため、市の体制や取組はどうなっておりますか、改めてお聞きします。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 早期復旧への対応といたしましては、災害復旧業務を優先した体制、業務計画で取り組んでおります。また、建設業会、それから測量調査設計コンサル業会等への御協力を要請いたしまして、災害復旧に関する工事、業務を優先した取組をいただいております。 また、一定の条件を満たしている災害箇所については、応急復旧事業として申請を行いまして、国の災害査定を待つことなく復旧工事を実施することに取り組んでいるという状況です。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 昨年の7月豪雨により被災した箇所で未復旧のところは、先ほどのように20件というお話でしたが、私の知っているところが1か所ありますが、そこでは、近くの人から不安や不満もいただいております。そこは河川なんですけれども、先月の雨で洗掘が進んでおりました。翌年の梅雨と台風シーズン前に遅くとも復旧を終えることを基本にお願いしたいというふうに思います。 次に、倒木の危険除去について聞きますが、災害時の倒木は道路の通行止め、電線の切断による停電を引き起こす可能性があります。事前の除去ができるのが理想、昨年の質問の中でも共有していると思います。昨年、7月豪雨では30か所余り倒木があったとのことでしたが、この災害等による倒木は年間どのくらいあるのでしょうか、状況をお聞きします。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 令和2年度における災害での倒木は52件ございました。それから、今年度、令和3年度に入ってからは、現在のところ21件発生しておると、そういう状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) やはり、かなりの数のような気がします。これらを防げるものなら防ぎたいと思います。 そのためにも、事前伐採を進めるべく危険木伐採事業補助金の要綱をつくられたと認識しております。この補助金は、昨日、福澤議員の質問の答弁で、道路、河川に隣接する個人所有の土地で、倒木の危険のある木を専門業者に伐採を依頼するときの補助で、伐採木は5メートル以上、15万円を上限に2分の1までというものであり、この補助金について問合せは5件ほどあるものの、支給の実績はないというふうにお聞きしました。認識としては、こういうことでよろしいでしょうか。
    ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 昨日答弁したとおり、そのとおりでございます。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) この要綱も含めて倒木の対策を今後どのように推進していくのか、お考えを聞きます。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 今おっしゃられました補助制度、これは各地区の自治振興センターを通じてまちづくり委員会からの土木要望の取りまとめの依頼において危険木補助制度の案内を行っておりますし、周知を図っておる。それから、併せて市のホームページへの掲載を行っております。 危険木は大半、その個人の方が所有されておるものですけれども、やはり費用が高いということなんですね。それで実態とすると、人力だけでできることは少なくて、クレーンなりを頼んでやらないといけないという状況が起こってくると、そうするとやっぱりリース料なり、工事費というか、それがかかるということでございます。そのことが、木が何本かというよりは、むしろそちらのほうの経費が高いという現象が起こっておりますので、そういったところを見て補助制度を設けて、2分の1補助したいということでこれを進めておるわけですけれども、防災という意味からも危険木が道路に出て車を傷つけるとか、事故に及ぶというばっかりじゃなくて、河川に倒れて、かえってそれが氾濫を起こすというようなこともございますので、そういったところは、この補助制度を大いに使っていただくように今後も周知を図っていきたいというふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 御説明いただきました。確かに今もちょっと出ていたかと思うんですけど、この危険木というのと支障木というのはやっぱり違っておりますので、支障木は明らかに通行に支障があるので分かりやすいというところがありますが、この危険木かどうかという判断もまた難しくて、今のお話だと経費もかなりかかるという点を克服するようにこの補助制度を設けたということで、今後に関しては、事業補助金の事前周知を徹底させていきたいというふうにお聞きしました。 この補助金制度は今年4月にできたものですから、私も今後に期待するとともに、ぜひ積極的な周知もお願いしたいというふうに思います。それを進めていただいた上で、もしかしたらもっと使いやすい補助金の制度の検討が必要であるかもしれません。いずれにしても、現時点では事前除去は安全・安心につながりますので、ぜひお願いいたします。 次に参りますが、昨年も井水で都市型氾濫を起こした事例のことをお話ししたいと思います。 これは地域の長年の不安材料であったこの件に関して、現在、市では、地域あるいは地区との協議の上改善に努められていると認識しております。破損箇所があれば、先ほどと同じように早急に復旧をするべきですが、水が引ければ井水の構造上の問題は特にない状態です。しかし、雨量が増したときでも氾濫を抑えることが目的となっています。そのためには水路、施設の整備、補修などの管理面のみならず、水門の開閉なども含め運用面も重要です。昨年の答弁、あるいは昨日の答弁でも管理面は市が行い、運用面は地区の水利組合、受益者が行うということでした。氾濫を抑えるためには、地域との協働が欠かせません。そういった意味で地元とも協議しながら進められていることを評価します。 今年、転倒ゲートの圧力を調整したとお聞きしておりますが、先月の雨では実際氾濫には至りませんでした。今後は構造的な改善も地域に提案していく予定と聞いているところです。今後とも地域と共に安心・安全をつくっていくこの姿勢でお願いしたいというふうに思います。 最後になりますが、道路や河川の整備、維持管理はこのように重要であります。先ほどまで被災等により河川、道路などに瑕疵がある場合の早期復旧、今申し上げた地元との協働による修繕が安全・安心につながると思います。 最後にお聞きしたいと思います。 道路や河川の整備や維持管理は重要ですが、市の考えをいま一度お聞きします。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) ありがとうございました。 維持管理の問題は地区との協働ということもありますし、それから破損した道路については応急処置を含めて行政側で速やかに行うということがあるかと思います。いずれにしましても、地区の皆さんとはやっぱり現地を確認して、それからこういう手順でやるのが一番いいというようなことも確認しながら、冠水等の被害を未然に防止する取組は今後も進めていきたいというふうに思います。 それから、道路のいわゆる物損事故ですね、それにつきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、方法というのは、やっぱりケース・バイ・ケースでいろいろあるかと思いますので、なるべく早く復旧できることを条件に今後研究しながら進めていきたいと、そういうふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 木下徳康君。 ◆16番(木下徳康君) 認識は一致したというふうに理解しております。 ガードレールに関しては早期復旧を目指すというふうにおっしゃってくれました。そしてまた、さっきの私の提案したことも含めて、その検討をそっちも早く結果を出していただきたいというふうに思います。 そして災害に関しては、基本的に早期復旧、地元との協働による修繕、こういったことに重きを置いて、市民に安全・安心の飯田市となるようによろしくお願いをして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、木下徳康君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     11時09分 休憩-----------------------------------     11時20分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 新井信一郎君。 △新井信一郎 ◆19番(新井信一郎君) こんにちは。会派きぼう、新井信一郎でございます。 早速ではございますが、通告に従い、順次質問をさせていただきます。 まず、農産物や希少植物等に対する鳥獣被害対策として里山の整備についてでありますが、今年の夏は酷暑日もたくさんございましたが、人的災害には及ばず安堵いたしましたそのさなか、例年にない長雨が続きました。その影響、またコロナ禍が年単位での長期化、里山への人々の出入りが少なくなったことで鳥獣被害が多くなったのではないか、そのような仮説も立てられるかと想像はたやすくあります。 そこでお伺いいたします。 被害状況はいかがでしたでしょうか。ここで問題点を強調したいので、猿被害についてお伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 猿の被害ということでございます。 これは、伊賀良地区を中心に被害が大きくなっておりまして、上郷地区においても目撃情報が多数ございます。長雨やコロナ禍により里山への人の出入りが少なくなったことも影響しているという、この議員の御指摘も納得できると思っております。 令和2年度の農作物の鳥獣被害は、獣類によるものだけで1,100円余りでございまして、そのうち猿による被害が約5割に達すると。本年度になりましても伊賀良や上郷から相談が来ていると、こういう状況でございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 承知いたしました。 ただいま答弁いただいた数値は直近の値であり、過去を遡れば相当数の数が上げられるものかと想像がつきます。 また、今夏、担当の職員さんには何度も何度も被害箇所に、お足元が悪い中出向いていただきました。そして、その惨状を御理解いただきましたこと、改めてこの場を借りて御礼を申し上げます。 そこでお伺いいたします。 (2)今後の対策はどのようにお考えになるか。まずは個人向けの支援策、お伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 個人向けということでございますが、農家個人を対象とした防除柵や簡易な電気柵、この補助などを市単事業として実施しております。また、農家や地域住民を対象とした追い払い花火の講習会も開催しています。 また、畑を冬場のえさ場としないために、収穫残渣や被害作物などを適切に処理すること、これ重要でございまして、毎年野生動物への餌づけストップキャンペーンで呼びかけてもおります。 それから、さらに個体数調整については、猟友会と連携して計画的に実施しております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 分かりました。 ただ、地域で被害に遭われた方々からの声は、もちろん多くの感謝の声も多数ございました。がしかし、抜本的な対応には残念ながらまだ遠いねえ、そんなような声が続いておりました。 そこで、次の質問に移らせていただきます。 広域的支援策についてお伺いをいたします。 同じ自然界に生きる生き物同士ではありますが、敵もさることながら自由自在に里山を飛び回れる能力を有しております。これまで飯田市内に幾つか設置されている連続性のある電気柵についてお伺いをいたします。 ア、連続性のある電気柵の延伸について、その前にその効果ですね、どうであったか、お答えをいただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 電気柵の効果ということでございますけど、まず一つの例として、電気を用いない防除柵ということで、千代とか上久堅地区で連続して設置した例がございます。それから、電気柵のほうは、平成27年度に座光寺地区で1.3キロ、平成30年度に同じく座光寺地区と、それからさらに上郷地区合わせて1.2キロを設置するということをしてきております。 この効果、電気柵の効果ですが、座光寺地区では猿による農作物の被害がこの27年から5年間くらいにかけて約400万円減少するなど、効果が認められると言っております。それから、上郷地区においては平成30年度から令和2年度にかけて、これも400万円程度被害額が減少するとしております。GPSの調査結果を見ても、この上郷、座光寺地区における猿の群れの行動圏が、電気柵に阻まれる形で変化していることも明らかになっております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね。今報告あるその金額的数値をお伺いする中でも、非常に効果はあると、そのように判断をいたしました。 そうしますと、次の質問に移っていくわけですが、単純に電気柵やその類いを延伸すればよいのではないかと感じるのですが、その辺り、延伸へのお考えについてお伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 延伸ということですけど、現在この電気柵の整備については、座光寺、上郷の例で申しますと、国2分の1、それから市4分の1の補助ですね、要するに補助4分の3によって地元負担が4分の1ということで設置をしてまいっております。 それから、この設置後の維持管理のために座光寺や上郷では管理組合が組織されて、この維持管理を行っていただいているということでございます。 この電気柵の延伸に当たっては、設置場所、それから設置費の負担、設置後の維持管理などについて、地域で意思決定していただくことがまず大事であると、こういうふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) そうですね。ただいま答弁があったように、造って終わりというものではありません。若干次の質問にも関連してまいりましたが、この辺り、維持管理といった労力や維持管理の費用、またもちろん設置の費用負担も見えてまいりました。 しかしながら、いわゆる当該地域だからでは飯田市の里山は守れない、そんな時代だと思います。市域全域をいわゆる専門業者にお任せをし、地域負担を減らすことはできないか。維持管理体制に対してお伺いを改めてさせていただきます。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) この電気柵の効果を持続させるためには、この柵と山の間に数メートルの距離を確保していなければならないということで、刈り払いだとか枝打ちだとか、そういった管理が必要となりますので、今議員御指摘のとおり、この労力負担というのは大変なものがあるというふうに理解をいたします。 現在行っております電気柵による鳥獣対策ですね、これは維持管理を地区にしていただくことを前提とした上で、この地区からの要望を受けまして設置してきたという経過でございますので、維持管理につきましては、引き続き地区のほうでお願いしたいというふうに考えております。 ただ、議員さん御提案のとおり、維持管理を専門家に委託するということも方法としては有効と考えますので、当面それぞれの地区において委託等を考えていただくと、そういう方法も一つとしては考えられるかなあというふうに受け止めます。 維持管理を持続的に行っていただく上で、この防除柵との境界の整備が必要となった場合に除伐とか間伐、これを行う事業が市としてもございますが、これは同一箇所で1回だけ使用できるというものでございます。ですので、継続的な管理を考える中でそういうものを、1回だけですけれども活用するということもできますので、管理を考える中で有効に御活用いただきたいと、こういうふうに考えます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 非常に厳しい面も見えてまいりました。地区への委託ということ、また補助のほうでは1回という、そんな場面も見えてまいりましたが、これはその地区だけ、限定的な地区だけに発生する事案では決してありません。一部の地域で完結できる案件では決してないこと、そして飯田市として取り組まなければこの問題の先送りと、大変失礼ながら、これまでどおりの鳥獣とのいたちごっこが繰り返されるのかなあと、こちらも想像できてしまいます。 そこで、新たな雇用の創出等、昨日からもありました林業の新しい側面、そして緊急雇用創出事業等々、新しい事業の創出、そしてそれも視野に入れた上での経済の循環と併せ、飯田市の農産物を守り、農業の持続ができるよう全市的な案件との御理解をよろしく願いしたいと思います。 そして次の質問へ移るわけですが、さきにも述べたように、人間も動物も同じ命を持つ生き物です。特にコロナ禍に至っては、人畜の境が曖昧になり、共生バランスが崩れてしまいます。というか、この結果と見ると崩れているわけです。そうしますと、人間側から見れば、動物側から見れば、100%折り合いがつくようなことはないのかなあとは思うんですが、できれば殺生は避けたいわけです。里山に恒常的に人が訪れ、生活の一部として利用されるエリアとなれば、動物側も少しは御遠慮いただけるのかな、こんなふうにも考えます。 また、さきの質問のやり取りで現地のヒアリング調査をさせていただく中、エビデンスは取れている、そのように私は理解しております。 そこで次の質問、イ、里山エリアへ観光面、健康増進面からの人的誘導策について。 ⅰとしまして、里山の観光化、こちらはキャンプサイトやリフト設置等に向けた整備についてお伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 今の御質問に答弁する前に、ちょっと訂正をさせてください。 先ほど電気柵の効果ということで、座光寺、上郷とも約400万というふうに申し上げましたけど、座光寺のほうはすみません、40万円ということでございます。いずれにしても効果は認められますので、そのように御理解いただきたいと思います。 それでは、ただいまの御質問ですけれども、市内には日帰り向けの登山道や遊歩道が多く存在しておりまして、市民の方の利用はもとより、観光資源としても活用しております。例えばケーブルカーやリフトなど、登山施設の設置や注目されているグランピングなど、そういった整備については多額の投資が生じるために、市としては難しい状況ではございますが、今後いろいろ民間の取組がもし出てくれば、地元との協議等多面的に対応していきたいと思います。現時点では、現存する自然をしっかりと生かしながら、遊歩道や登山道を整備し観光誘客につなげたいと、こう考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) おっしゃるとおりです。 飯田市の西部エリアには、信濃路自然遊歩道、伊那谷ルートがあり、地域の有志である北方壮年団が十数年前から維持管理を行ってくれております。また、本年は北方壮年団の創立40周年記念事業としてルートの整備事業を行うとのことで、ぜひともコロナ禍の終息を願うと併せ、彼らの汗を決して無駄にすることのないように利活用の推進にお力添えをよろしくお願いしたいと思います。 さて、これまでにない里山からの眺望に注目が集まっています。一昨日の信濃毎日新聞社さんの掲載記事に、北アルプス満喫、新展望エリア、こちらは白馬村さんの記事。そして同じくして、南アルプスを一望と、伊那市さんの地元産材のヒノキを使っての整備と。もっと近い自治体さんでは、下條村さんにある民間宿泊施設業者さんが甲信エリア初のドーム型のグランピング施設を等、様々な人気が寄せられていると聞いております。 重ねて、9月12日付の同じく信濃毎日新聞社さんの記事において、遠山郷、戦後期に最先端の橋、専門家は国登録有形文化財レベルと大きな見出しを頂戴いたしました。 飯田市内には里山を含め多くの価値ある素材がたくさんあるということ、上げれば切りがない素材の宝庫とも言えると思います。どうしても飯田市全体の課題として、価値として御認識が若干薄いのかな、そのように感じ、その辺りを先ほど答弁にもありました民間企業の参入がさらにしやすいような、そんな状況を見据える中、今後の課題として、リニア時代には大交流時代を迎えられる飯田市に転換をしていかないと、世界の皆さん方には満足していただけるおもてなしが少し足りないのかなと感じます。 そこで、次の質問に移らせていただきます。 昨日、同会派、福澤克憲議員の森林に関する質問をさらに深掘りするような形になりますが、ⅱとしまして、林業振興と併せたツリークライミングの推進はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) ツリークライミングの活用ですけれど、これは一昨年のいいだ森林学校においてもカリキュラムに取り入れた実績もございますし、また本年度、環境モデル都市推進課のほうでもこのツリークライミングを取り入れた環境学習を計画しておりましたが、これはちょっと残念ながらコロナ禍により延期になりました。 このツリークライミングは、森林に興味を持っていただく非常に有効な原体験と思います。森林啓発の取組として有効だと思いますので、このツリークライミングに取り組んでおられる方の話もまたよく聞かせていただきながら、今後について考えてきたいと思っております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 分かりました。 私も何度もツリークライミングを絡めるような形で一般質問に取り上げさせていただいてきております。ツリークライミングの全日本チャンピオンを3度栄冠を得ている人材も飯田市にはおります。その彼自身を取り上げた民放放送、これ全国放送で有名な番組です。名前がここで言えないのが非常に残念ではありますが、チャンピオンの活動を日本で僅か数十人、木を切ることで木を守るアーボリストと特集が放映され、記憶に新しいかと思います。 そのように有能な人材や企業が身近にあるにもかかわらず、いま一歩、飯田市を全国に発信することが苦手なのかなあ。また、あわせまして、近年ではウッドショックと言われ、日本の一番得意とするはずであった材木が、価格高騰や手に入りづらいという状況がコロナ禍の余波として世界的に発生をしております。飯田市の林業の再構築は、こういった人材の活用、そして先ほど来、質疑を交わしました里山の有効活用から見直すことが日本の森林再生の糸口と考えます。 そこで、次の質問に移りますが、前段でかなり答弁を頂戴しておりますので、要点をまとめて答弁をお願いしたいのですが、遊歩道の整備、維持管理の活用方法、再度お願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) その前に、先ほど議員さんからお話がありました北方壮年団の皆さんの長年にわたります遊歩道の整備に感謝申し上げたいと思います。7月の末に、実は私も観光課の職員と一緒にずっと歩いてまいりまして、そこでその御努力が分かりました。ありがとうございます。 それで、アウトドアなど個人旅行へのシフトが進むコロナ禍において、自然環境を生かした山歩きは観光誘客に効果があると。それからまた、ウオーキングを通じて市民の健康増進にもつながるということがございますので、さらなる情報発信を行ってまいりたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 大きな設問1では里山のことに触れました。続けて、山岳エリアに対しての質問に入らせていただきます。 2.ユネスコエコパーク・南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークの活用についてであります。 (1)日本ジオパーク委員会審査の結果が公表され、南アルプスジオパークの条件付再認定についてであります。 ①反省点が明らかになりましたが、改善点をどのように対応されているか、お伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークについての御質問ということでございます。 こちらの協議会の幹事会におきまして、現在、認定継続を目指す方向で協議を続けているところであります。その協議を踏まえまして、年度末までには協議会総会を開催し、継続するか退会するかを決定してまいりたいと考えているところでございます。 幹事会で現在協議をしている項目の主なものでございますが、事務局体制の強化につきまして、部会を担当するなど、4市町村で役割分担をしながら運営をすることができないか、そういった検討、現在あります基本計画、事業計画の見直し、さらにジオサイトの設定方法の再整理と学術的価値の再確認などを行っているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) こちらですが、前段の里山のこと触れますと、さらに専門的な知識がどうしても必要なエリアとなります。ただ、全国的な様子を見ますと、このジオサイトであったり、ユネスコがらみの自然のエリアは非常に人気が高い場所であります。まさか退会という選択は、私はないかな、そんなふうに考えております。 そこで、今後の取組についてですが、これまでも多くのお力添えをいただいておりますジオパークやエコパークに御尽力をいただいております美術博物館の学芸員のさらなる有効活用についてどのようにお考えでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 美術博物館の学芸員についての御質問でございます。 学芸員の皆さんにつきましては、現在でも積極的にジオパークの学術的分野等に関わっていただいております。例えば、学輪IIDAが毎年取り組んでおります遠山郷エコ・ジオパークフィールドスタディにおきましては、平成30年から学芸員が企画段階から携わり、事前学習及び本番の講義や現地調査のファシリテーターを担うなど、地元高校生と全国の大学生や研究者の継続的な学びにつなげているところでございます。ほかにも、南信州観光公社が企画開催をしておりますジオパークツアーへの講師派遣など、多岐にわたった活動をしていただいておりまして、今後も引き続き協力をいただきながら事業に取り組んでいっていただきたいと思っております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 続きまして、全国にあるジオサイトを有する市町村との連携についてお伺いをいたします。 同一県内であれば、ここのところ、メディアからよく見ます志賀高原ユネスコエコパークや、前段での質問に対して、各種メディアにて紹介されているジオサイトや里山の成功事例を身近な観光やレジャーを絡めた格好で上手にメディアで発信をしてきているところかと思います。そういった地域と連携をしつつ、情報発信を行うことで遠山郷への誘客等につなげていけないか、お伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) ジオパーク間の連携についてでございますけれど、全国のジオパークで組織をいたします日本ジオパークネットワーク、これ通称でJGNと申し上げておりますが、こちらから随時情報発信に関わる助言等もいただけるものというふうに認識をしております。JGNとの連携も含めまして、他のジオサイトの誘客発信方法等を参考にいたしまして、当地域の振興に生かせるような仕組みづくりを進めていけますように、協議会で今後検討を進めるよう提案をしてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ありがとうございます。 この件に関しまして、市長、御認識をお伺いしたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 先ほど部長からも答弁申し上げましたように、幹事会のほうで今継続に向けた検討がなされているという認識を持っております。もとより4市町村で、あるいは民間の方も併せて構成をしている協議会で決めることではありますけれども、飯田市としても、継続に向けてこの協議会の中の議論をしっかりリードしていきたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 力強い表明と受け止めさせていただきました。よろしくお願いします。 続きまして、ユネスコスクールについて、現状と課題ですが、その辺りを質問させていただきます。 遠山地区の3校は、ユネスコスクールへの加盟を目指しております。加盟に向けて、現在どのような状況なのか。また、いつ加盟され、活動が始まるのかをお伺いいたしますが、ユネスコスクールの参加に向けた現状については、チャレンジ期間を終え、昨年、チャレンジ期間の終了の可否の判定となる資料をユネスコスクール事務局に提出をされたとお伺いしました。ただ、ユネスコスクールの事務局が申請処理を一時中断するような、そんなような状況とも頂戴しました。こちらは、ユネスコスクールのさらなる質の向上ということであります。これは飯田市とはまた別の話でありますので、またその後、日本ユネスコの国内委員会、教育小委員会からの答申に対してチャレンジ終了との判定、そして判断の動向までを私なりにまとめさせていただきました。 もし相違がございましたら御指摘をいただきたいのですが、今後の動向について答弁を願いたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 遠山の3校のユネスコスクールへの加盟に向けた現状と課題について御質問いただきましたけれども、先ほど議員のほうから御説明をいただきましたように、国内全ての申請が一時休止期間という形になりましたけれども、その後5月20日に文部科学省より、ユネスコスクールの新たな展開についてということが発表されて、この申請に向けた動きが再開をされたわけであります。 この動きの中で、遠山郷3校についても、昨年提出した資料が一旦差戻しをされて再提出を求められましたけれども、これについてはいち早く公募させていただいて、この8月31日にはチャレンジ期間の終了を認めるという判断をいただきました。 今後については、現在3校とも活動報告書を準備しておりまして、今年度中には日本ユネスコ国内委員会へ提出をする予定です。状況の変化がなければ、10月に日本ユネスコ国内委員会において、提出された活動報告書の国内審査が行われまして、11月には一定の結果が送られてくるのではないかというふうな想定をしております。 ユネスコ本部への加盟申請の手続をその後行いまして、加盟認定を待つことになりますけれども、本部での認定には半年以上かかるということが予想されますので、順調にいっても、早くて来年の秋以降に加盟になるのではないかというふうには算段をしております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 動きが見えてまいりました。このユネスコスクール、私もこの南アルプスを世界自然遺産にと、その取組が過去ございました。それと併せて、時同じくしてユネスコスクールの取組についても取り上げてきた、その過程が大分現実のものとなってきた、非常にうれしくあります。 そういった中で、遠山地区の小規模特認校との連携についてお伺いをいたします。 現在、小学校までの期間ではありますが、それを中学校まで延伸できないか、お伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) まず、上村小学校の小規模特認校の指定についてですが、急激な児童数の減少に伴い、教員が確保できないなど、教育環境に著しい影響が生じる状況の中で、上村地区の総意としての特認校認定の要望を受け止めつつ、学校を存続するための必要な喫緊の取組として教育委員会が判断し、今実施をしております。 今年で4年目を迎えるわけですけれども、特認校を活用した就学者が7名、全校生徒18名という状況で、児童数の増加にはつながっています。ただ、将来にわたり持続可能な学校や地域の実現に向けては、遠山郷に在住する子育て世代や児童・生徒数を確保していることが重要だというふうに認識をしています。 そういった中で、現在、南信濃地区では、1,500委員会が主体となり、教育移住に通ずる取組に着手をしています。また、このたび遠山3校によるコミュニティスクール(学校運営協議会)も設置され、遠山郷全体での視点での議論も始まっています。教育委員会としては、このような地域主体の議論をしっかりと尊重し、寄り添っていきたいと考えております。 議員御指摘の遠山中学校まで小規模特認校を延伸するという考えなんですが、現時点では、小規模特認校制度を利用している保護者より遠山中学校に就学をさせたいという希望は受けておらず、今年度実施した保護者懇談会でも、上村小学校の卒業後は地元の中学校に就学させるという意向を確認しています。引き続き、保護者の声にはしっかりと耳を傾けて対応していきたいと思っています。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ありがとうございます。 そういった新たな声にも耳を貸していただけるように、そしてたまたま今は保護者の皆さん方、お子さん方からのそういった御意見がないかもしれませんが、いわゆるESD(持続可能な開発のための教育)がしっかりとできるような環境は、私はこのユネスコスクールと併せて目玉になるものと信じております。 子供たち含めて、都市部において学校の宣伝をされたと報道で頂戴しましたが、そういったところからしましても、リニア新時代におきまして、遠山地区で我が子を育てたい、その学校で学びたい、そんなような生徒さんや御家庭が増えると飯田市自体にも活気が湧いてくるのかなあ、そのようにも考えます。 そのような特色のある学校ですが、続いての質問に入らせていただきます。 遠山地区3校がユネスコスクールなど特色のある教育活動を推進するためには、それぞれ支える教員の配置も重要となりますが、その人事に対して、県教委かもしれませんが、その辺りを市としてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 議員御指摘のとおり、教育活動をするために教員の確保というのは本当に最も大事なことの一つだと思っています。そうした認識の中で、飯田市としても、上村小学校や和田小学校の特色ある複式での学びのさらなる充実に向けて、市独自で教科講師をそれぞれの学校に1名ずつ、合計2名配置し、教育活動を支援しています。 今後とも学校とも相談する中で、特色ある遠山3校の教育活動を推進するための環境整備に精いっぱい取り組んでいきたいと思っています。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ぜひ人材の確保、そして育成、よろしくお願いしたいと思います。 最後の質問になります。 環境文化都市にふさわしい一升瓶のリユースについて、現状の認識と課題、その辺りについてお伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 一升瓶につきましては、ビール瓶などとともにリユースをする容器といたしまして、酒類販売店を通じて回収をされるというのが本来の在り方でございます。 しかしながら、最近このリユースのルートが一部において滞っている状態であるということは承知をしております。これは、リユースのルート上で重要な役割を担います「びん商」と呼ばれる事業者が廃業をいたしたことによりまして、飯田市の一部をカバーできない状態となっているということでございまして、全国的にはかなり特殊な状況であるという認識を持っているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) 特殊な状況ということですが、10万都市ですね、言ってみれば、そこで特殊な状況が生まれるということが少し複雑な気分です。 そういった中で今後の方向性をお伺いするわけですが、一升瓶、非常に有能な資材であります。その辺りの取組についてお伺いをいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 今申し上げましたように、一升瓶というのはリユースをする容器であるという認識をこれまでと同様、市民、事業者ともに今後も持ち続けていっていただけるように、3Rの学習の中で啓発を続けていきたいと思っております。 また、リユースのルート確保につきましては、酒類販売業者と協力をいたし、引き続き関係機関に働きかけをしていきたいというふうに考えています。 また、市内の酒類取扱店舗によりましては、リターナブル瓶、これ一升瓶ですとかビール瓶のことを指しますが、この回収に取り組んでいただいていない店舗も見受けられるというふうに伺っておりますので、瓶の引取りを行っていただけるよう取引を促してまいりたいというふうに考えております。 一方で、現在のリユースの仕組みにつきましては、都市部においては瓶の排出量が非常に多く、回収が効率的に行えるといった状況にあるものですが、地方におきましては排出量が少なくて、輸送にコストもかかるという不利な状況にあることは事実であります。これにつきましては、地方でも継続的に機能する仕組みとなりますように、これまでに東京に本社のありますガラスびん3R促進協議会への依頼ですとか、県内の19市廃棄物研究会で検討をお願いするなどやってまいりました。引き続きこの機会を捉えまして、関係機関などへ働きかけを続きてまいりたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ぜひそのような取組、民間業者の皆さん、そして市民の皆さん方のその思いに応えられるように、引き続きお力添えをお願いいたします。 最後に、環境文化都市としてのリユース、リサイクルの取組について、市長のお考えをお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 環境文化都市としてということでありました。 今日お取り上げいただいた一升瓶のリユースということですけれども、これ新しく一升瓶を作って容器として使うという場合に比べて87%のCO2削減効果があるといったような数字もあるというふうにお聞きをしました。リサイクルに比べてリユース、手間がかかることではありますけれども、環境文化都市としてということもありますし、世の中全体としてCO2を減らしていくという取組をしているわけですから、飯田市としても今の問題についてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 新井信一郎君。 ◆19番(新井信一郎君) ありがとうございました。 力強い発信と私は理解をさせていただきましたので、よろしくお願いします。 そういった中、物の物流がどうしても小売店の店頭で直接買うばかりではない、いわゆるインターネットを通して通販というような形もあります。様々な人々の生活様式が変わってまいりました。そういった中で発生するこの資源を上手に使って、この環境文化都市だからこそそういった取組をしているんだ、そんなところが発信できると全国的にまれな状況、それを逆手に取って発信できると私はいいのかなあと感じるところでございます。 それぞれのお考えを頂戴した中、私の一般質問を終了させていただきます。 ○議長(井坪隆君) 以上で、新井信一郎君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     12時00分 休憩-----------------------------------     13時00分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 佐々木博子さん。 △佐々木博子 ◆14番(佐々木博子君) 皆様、こんにちは。会派みらい、佐々木博子でございます。 一般質問2日目のお昼明け、一番気が緩む眠い時間ではございますが、ぜひ耳を傾け一緒に考えていただきたい。飯田市のために、そして御自身と愛する家族の幸せな未来のために。 質問に入る前に、ジェンダーの定義についてごく簡単にお話をします。 一般にジェンダー平等というと男女平等と思われますが、正確にはLGBTなど、一般に男女では区別できない多様な性別が入ります。今回はそこまで広げた議論をいたしません。あくまでも男性と女性に範囲を絞って議論を進めます。 それでは、通告順に従い、質問に入ります。 今日も見渡す限り男性ですので、男性の皆様に質問から入ります。 男性の皆さん、今自分が何らかの理由で失業の身だと想像してみてください。失業中なので平日でも床屋に行けます。では、平日行った床屋さんで、今日はお休みですかと聞かれたら何を感じますか。私は、そのとき感じた感情の根底にあるものが男性の中にある男だからこうあるべきという性別役割分担意識だと考えています。 では、男だからこうあるべきとはどういうことなのでしょうか。 そこで1つ目の質問です。 男性の性別役割分担意識についてどうお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 男性の性別役割分担意識についてどう考えるかという御質問をいただきました。 導入のところで、床屋さんに行ったときに今日はお休みですかと聞かれたらどう答えるかというところを聞かれましたんで、これは答弁ではなくて、個人的な見解でお話をさせていただくと、正直に失業中と答えるか、休みと答えるかというのは、その場では結構悩むのかなあというふうに思います。なぜそうかというと、世の中の普通の男性というのは、昼間は会社で仕事をしているという意識がどうしても働いてしまうからというところが根底にあるのかなあというふうに思います。 ここからは、自分の職制からの回答ということにさせていただくんですけど、男性の性別役割分担意識につきましては、これまでの一般的な考え方として、一生懸命働いて家族を養うのが自分の役割と考えて働き、その分、家のことはほとんど奥さんに任せるというものであったんではないかというふうに考えています。これはちょっと、少し前の考え方ではあります。 その中には、男だからこうあるべきという思い込み、議員もおっしゃっていましたけど、ジェンダーバイアスによりまして男性の家庭進出が妨げられてきたのかなあというふうに考えられるというふうに思っています。 これに対しまして、平成28年度に実施をいたしました男女共同参画計画策定のための市民意識調査の中では、性別によって役割を固定することについて、半数以上が性によって役割を固定するのはよくないという回答を得ているところであります。さらに、令和元年度に実施をいたしました県の高校生の意識調査によりますと、性別によって役割を固定する考えについて、反対、どちらかといえば反対の割合は67.8%、約7割となっておりまして、時点と対象が異なるために一概には言えないとは思いますけれど、特に若い世代では性によって役割を固定するのはよくないとの認識が高まっていると考察はできるというふうに思っています。 性別役割分担意識というのは個人の意識の問題であって、その解消は非常に重要なことだというふうに考えてはいますけれど、今申し上げたように、個人の意識だけにそれを変えていくというのは少しハードルが高いのかなあということも認識をしております。 なお、先ほど紹介をいたしました市民意識調査でございますけれど、5年前のものでありますので、今年度新たに実施をしております同じ市民意識調査の中での結果を見て、まずは何をすることが必要かという分析から取り組んでまいりたいと考えています。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 冒頭、男性にとっては内面に触れる大変ナイーブな質問だったと思います。 では、次の質問に入る前に男女平等について、タレントのマツコ・デラックスさんのコメントを紹介いたします。 男の世界に合わせられる女じゃないと平等にはならない。女の感性のままで勝負をしようと思ったら多分無理。女性政治家でもスカートをはいているだけで中身は男。今までは男の基準に女が合わせることが平等だった。男がしていることを女がしてもいいよという男女平等だった。女が男になろうと無理せずに、男と同じ権利を与えられる世の中にならないと本当の平等にはならない。 このコメントに私は非常に共感いたしました。なぜなら、私も男性の世界に合わせられる女として生きてきたからです。ですが、それは男性と同等に戦えるという意味ではありません。男性心理と自分が置かれた状況をうまく読み取って、分をわきまえて生きてきたからです。 では、この分をわきまえるとはどういうことなのでしょうか。私はそこに、女性だからこうあるべきという性別役割分担意識があると考えております。 そこで、次の質問です。 女性の性別役割分担意識についてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 先ほども御紹介をいたしました調査のとおり、性別によりまして役割を固定することにつきましては、半数以上の方がよくないというふうに回答をしているところでございます。 昨今の女性活躍推進につきましては、女性自身も家族数人を養う賃金を得るためのケアレス・マン状態にもかかわらず、他者のケアである家事、育児をやりながら標準的な労働者、つまり稼ぎ手を要求されている状況であるという認識をしています。 今申し上げたこのケアレス・マンというのは、出産、子育て、介護など、他者のケアに責任を持つ想定をしていない労働者のことを指すというふうに言われております。つまり、そういった労働者でありますので、私たちからすれば稼ぎ手男性中心社会というものの中で考えられてきたものではあるものの、現在はそういった女性活躍推進によって女性の皆さんも労働者、稼ぎ手という立場にならざるを得ない状況なのかなというふうに思っています。 また、内閣府男女共同参画推進連携会議作成の令和2年度版の資料によりますと、就業者に占める女性の割合は44.5%、約半数でございます。もはや稼ぎ手男性中心社会ではなくなってきているのではないかというふうに認識をしているところでございます。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 今の答弁で、もはや稼ぎ手男性中心社会ではなくなってきているという認識とおっしゃっていましたけれども、その認識について再度確認させてください。 その認識は、あくまでも社会の労働者の構造が稼ぎ手男性中心社会ではないという認識でよろしいですか。人々の意識はまだ男性が主役、女性は脇役の稼ぎ手男性中心のままだと私は感じております。社会の労働者の構造と人々の意識がずれているから男性も女性も疲弊している。だから、女性の社会進出、男性の家庭進出が進まないと私は考えておりますが、いかがでしょうか。
    ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 今議員が御指摘いただいたとおり、社会の労働者の構造が稼ぎ手男性中心社会でなくなってきているという認識をしております。 その一方で、同じ内閣府の調査によりますと、就業者に占める非正規雇用率が男性は22.8%に対しまして、女性は56%と半数以上となっております。また、共働き世帯が男性雇用者と無業の妻の世帯の約2倍となっていることから、人々の意識の中では、まだ男が主役、女は脇役の稼ぎ手男性中心のままというふうに読み取ることもでき、構造と意識のずれというのはあるのではないかというふうに考えられると思います。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 私がこの課題に取りかかろうと思ったきっかけは、飯田市の男性職員の育児休暇取得率が低過ぎる現実からでした。男性の育休取得はもはや国策です。2022年4月からは育児・介護休業法が改正され、男性育休の義務化が始まります。けれども、現実は飯田市だけではなく、どこの市町村もなかなか進んでおりません。この背景には、今答弁にありました稼ぎ手男性中心社会が影響していると私は考えております。 そこで、次の質問です。 稼ぎ手男性中心社会についてどのようにお考えですか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 平成27年に制定をされました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、これ女性活躍推進法と言われるものでありますけど、こちらには女性の職業生活における活躍の推進に当たりましては、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、育児、介護その他の家庭生活におけます活動において家族の一員としての役割を円滑に果たしながら職業生活と家庭生活が継続的に両立可能となるよう必要な環境整備が必要であるというふうに書かれております。 そのために市としてできることといたしましては、第6次飯田市男女共同参画計画に重点項目として掲げてございます男性にとっての男女共同参画の推進によりまして男性の意識を変えること、ワーク・ライフ・バランスの推進によりまして男女の働き方を変えていく取組を今より一層進めていくことが必要であるというふうに考えるところであります。 先ほども申し上げましたけど、意識を変えるということについては非常に難しいところもありますので、地道に啓発活動を行っていくということが大事だというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) ただいまの答弁で男性の意識を変えるとありました。相手に変われと指をさすことは簡単です。けれども、その指を自分に向けたときに、変わることがどれほど大変なことなのかが分かります。男性が意識を変えるためには、私たち女性も共に意識を変える必要があると私は考えております。まずは、男性と女性が共にワーク・ライフ・バランスという名の新しいビジョンを持つことによって共に支え合う男女共同参画が始まるのだと私は思っております。 次の質問に移ります。 さて、前半は、大人たちのジェンダー平等について考えました。続いて、次の質問では、子供たちのジェンダー平等について考えたいと思います。 次の質問に入る前に、ジェンダーの定義についてもう一つお話をいたします。 ジェンダーと似て異なる概念にセックスがあります。海外旅行へ行った際、出入国審査の書類で自分の性別を記入する欄はセックスと書かれています。生まれたときの生物学的な肉体の性差をセックス、育つ過程で身につけていく社会的、文化的な価値観としての性差がジェンダーです。では再び。 男性の皆さん、自分がトイレで用を足すことを想像してみてください。小さいほうをするときは立ってできます。けれども、大きいほうをするときは女性と同じように座ります。では、もし自分が用を足しているときに背後から暴漢に襲われたらどうなるでしょうか。立っているときなら抵抗して戦えます。けれども、座っていたらどこまで抵抗できるでしょうか。女性が用を足すときには常に座らなければなりません。立っているときよりも数倍無防備な状態で自分より筋力のある男性が襲ってきたら、普通の女性は抵抗できません。これは防災、被災地におけるトイレの課題を女性の視点から見たお話です。 前回の一般質問の生理のお話でもそうでしたけれども、私たちが肉体を持つ以上、どうしても埋められない性差、理解できない差はあります。そういう意味で、男女の間に差別はあってはいけないけれども、必要な区別はあっていい、いえ、あるべきだと私は思っております。 ですが、平等を意識するあまりに、その必要な区別が見えなくなっているとしたらどうでしょうか。子供たちは、親や教師など周囲の大人たちとの関わりから価値観を学んでいきます。 そこで、次の質問です。 学校教育における男女平等教育に関して飯田市の現状はどうでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 現在、学校教育では、人権教育を中心に男女の性差を受け入れ合い、そしてその違いを認め、お互いを尊重する教育が行われています。全ての教育活動を通じて、男女それぞれの特性や立場を理解した上で、違いはあっても平等の考え方を大切に指導しています。全てを同じにするのでなく、真の平等、お互いの立場を分かり合った上で違いは違いとして受け入れ、ひとしくできることはひとしくし、そのバランスを取りながら支え合っていく力を育んでいきたいと考えています。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 他の市町村ですけれども、小学校の教師をしている友人がおります。彼女に一教師としての意見を聞きました。御紹介いたします。 私たち教師が児童に対してできることは、視野を広げることだと思います。様々な価値観があること、命の重さは皆等しいこと、そして客観的な見方をすること。教師としては多様な考え方を受け入れるし、情報も偏らずに提供します。そこには人権、人として幸せに生きることは何なのかをいつも一緒に考えることが大切だと思っています。そして、子供たちを通して、教師である私自身がより学ぶことだと思っています。以上です。 次の質問に移ります。 先日、伊那谷でキャリア教育研修会があり、私も興味があったので参加してきました。そこで行われたグループワークで一緒になったある教師の方がこんなことを言っていました。 本当は教師ではなく違う職業に就きたかった。でも、事情があって教師になった。だから、自分を反面教師にして、生徒たちには自分の好きなこと、やりたい仕事をしてほしくてキャリア教育の指導をしていると熱く語ってくださいました。 では、その好きなこと、やりたい仕事を選択する際に、ジェンダーバイアスの影響はどのように作用するのでしょうか。 そこで、次の質問です。 職業選択におけるジェンダーバイアスの影響についてどうお考えでしょうか、お伺いします。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 児童・生徒の職業観、これは身近な大人の考え方や日常的に見聞きしている情報の与える影響は大きいと考えています。そのため、職業によっては男性の仕事、女性の仕事というイメージが知らず知らずのうちに子供たちに育まれているケースもあると考えています。 そこで、学校のキャリア教育の中では、今まで男性の仕事と考えられていた分野で女性が活躍したり、またはその逆の事例をキャリア教育の中で知る機会をつくるなどして、男性の仕事、女性の仕事という固定観念にとらわれることなく仕事を見つけられるような教育を進めています。 そして、その上で大切なことは、男女がそれぞれの違いを理解し、協力し合い、共に暮らしていける共生社会の実現です。その実現のために、児童・生徒が自分の就きたい仕事、自分の向いている仕事に出会い、それに向かって努力していけるようにキャリア教育を進めているところであります。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 実は、先ほどのグループワークで一緒になった教師の方の言葉には続きがあります。 生徒たちにやりたいことを仕事にしてほしいと指導をしてきたけれども、その指導でよかったのかと最近思うんですと最後おっしゃっていました。非常に思慮深い誠実な言葉だと私は思います。やりたいことを仕事にする、口で言うことは簡単ですが、現実社会はそんなに甘くはありません。自分のやりたいことを見つける、そして実現することがどれほど難しいことかを私たち大人は知っています。知っている私たちが、働くことについて子供たちと共に学び合いながら共に成長していくこと、それがキャリア教育なのかもしれないと私は考えております。 次に移ります。 先ほども述べましたけれども、今回の質問のきっかけは、飯田市の男性職員の育児休暇取得率を上げたいという私の思いからでした。ところで、市長はイクボス・温かボス(あったかボス)宣言にサインをしておられます。イクボス宣言とは、職場で共に働く部下、スタッフのワーク・ライフ・バランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司と長く定義されております。 そこで、次の質問です。 市職員の共に支え合う男女共同参画へどう働きかけるか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 市の男性職員の育児休業の取得率が低いと、そういう御指摘であります。この男性の育休取得という課題については、私はもう10年以上、自らのことも含めて取り組んできている課題でもあります。 大分県の総務部長の頃に私自身は、これは有給というか、正確に言うと育児休業ではなく、配偶者の出産に伴う休暇ということで、高々2週間休んだだけではありますけれども、そのことに伴って、大分県庁の中でこの育児休業、育児休暇がどれだけ広がるかということについても積極的に取り組んできたつもりです。 なかなか難しいというのが率直な感想であります。何が難しいかといいますと、いろいろ啓発をやったり、あるいは呼びかけをしたりという活動をしても、なかなかそれがしみ込んでいかない。我々取り組んでいる側から、粘土層と呼んでいましたけれども、水をまいてもなかなかしみ込んでいかない層があります。代表的なものが上司、そして実はその職員の御家族、特にお父さん、お母さん。この家庭の粘土層については、結局男性職員が休もうとしても、あなたが休む必要はない、あるいはあなたが休むと面倒見なきゃいけない人が1人増えるというような、先ほど来取り上げられている固定的な観念、これを溶かすのは非常に難しいというのが一つ。そしてもう一つは上司であります。 このイクボス・温かボス(あったかボス)宣言については、そういう意味で粘土層になりかねない上司が自らそれを宣言することで、むしろその職員の育休取得をはじめとしたワーク・ライフ・バランスの実現を後押しする立場になる、そういう効果を期待しております。その効果を期待して、既に飯田市としてはもう何年も前から、私が副市長の時代からありますから、もう何年も前からこれに取り組んでいますが、残念ながら、まだその結果が出ていないというのが御指摘のとおりということになります。 長くなりましたけれども、先ほど御紹介いただいたイクボスの定義、温かボス(あったかボス)の定義に沿うような、そういう部長、課長、理事者、これが職員の育休取得をはじめとするワーク・ライフ・バランスの実現についてしっかり後押しする立場になる、こういったことになるように私自身も改めてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 他の市町村ですけれども、男性で育児休暇を取った行政職員の友人がおります。彼に経験者としての意見を聞きましたので、御紹介いたします。 男性としては、いつも仕事をやり続けなければならないという言い訳や意識があると思う。けれども、一度その言い訳や意識から解放されて子育てに向き合えるのは貴重な経験だった。特に、行政職員が育休を取って、子育てに1か月でも専念できるのは重要だと思う。世の中のパパ・ママを自然と尊敬するし、町なかで子供を見る目、パパ・ママを見る目が変わる。行政職員が実際に地域で子育てすることで見えてくること、見方が変わることがある。公園や保育園、病院、地域、福祉、医療、教育といった分野の利用者としての経験ができる、増える。それがまた、行政や地域づくりに生かせる経験になると思うと彼は言っていました。 では、次の質問に移ります。 第1次事業主行動計画における目標と実績には、男性育休所得率のほかに上位の職責を目指す職員の数値も出ております。数値は年々低下しており、特に女性職員の数値が低下していると聞いております。同じ女性として、その気持ちはよく分かります。家庭でも育児、家事を一生懸命やり、さらに仕事も一人前にやって、さらに自己実現しろなどとは無理な話です。時代背景が変わり、自己実現が上位の職責を担うこととイコールではなくなりました。人々は権威やお金よりも、もっと心の豊かさや幸せを求めている、視点を変えれば、上位の職責を目指す職員の割合が低下していることは、それを証明する数値だとも読み取れます。ですが、組織というものを考えたとき、役職を担う女性がいなくなってしまっては組織が健全に維持できないということも事実です。 そこで、次の質問です。 市長として、ジェンダーギャップの解消についてどうお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 組織の中で女性がしっかりと役割を担っていただくことが大事だというのは、まさに今議員がおっしゃったことと同じ認識であります。一方で、例えば管理職になった年代で、突然女性に対して管理職をやってほしいと言ったり、あるいは組織としての管理職割合を増やそうという数字を追いかける取組をするというのはいささか違うというふうに思っております。 そういった意味で、飯田市では、これまでなかなか女性が担ってこなかった役割についてもしっかりやってもらうということで、例えば公民館主事であったり、例えば自治振興センターのセンター長であったり、こういった職責を若い頃から担っていく、そういう女性職員を増やしていくという取組を、これも何年か前から進めてきております。そういった取組の中で、組織の中で一定の役割を担う女性の割合がもっと増えていく、そんな取組をしっかり続けていきたいというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) この点について、もう少し踏み込んだ質問をしたいと思うのですがよろしいでしょうか。 ジェンダーギャップの解消、演劇のまちづくりなど、突き抜けた政策を掲げて全国的にも注目を集めていたまちがあります。兵庫県豊岡市です。その旗振り役だった豊岡市の前市長、中貝氏は、今年4月の市長選で落選しています。選挙の世界は、勝てば官軍負ければ賊軍です。ですが、この結果の本当の意味は、今は誰にも分からないと私は思っております。今後の研究や分析の結果を待つべきことだと私は思っております。 そこで、再度お伺いします。 このような現実がある中で、理想と現実のバランスを取りながら今後どのようにリーダーシップを執っていくか、お伺いいたします。 ○議長(井坪隆君) 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 今の豊岡の中貝さんの例を前段に引いた意味合いというのはちょっと分かりづらいところがありますけれども、理想と現実という話で言えば、理想を求めない限り現実は変わっていかないというふうに思います。もちろん、そこに政治家というものは、選挙の洗礼というのが間に都度都度入ってくるわけですけれども、やはり志を持ってその立場を目指した以上は、その現実を変えるために理想をしっかり掲げて、それに向かって歩んでいくということが政治家の姿だというふうに思っています。 ○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。 ◆14番(佐々木博子君) 私にとってのリーダーシップは2つあります。1つは信じて待つこと、もう一つは助けを求める声に敏感に反応することです。私たちは、性別のほかに幾つもの役割を持っています、家庭でも、職場でも、地域でも。役割を持った途端、そこから理想と現実が生まれ、その理想と現実のはざまで私たちは苦悩します。ですが、理想と現実のはざまで苦悩する私たちが新しいビジョンを持つことによって、自らのリーダーシップを発揮することができる、私はそう信じております。 今回は、私にとっても非常にチャレンジングな一般質問でした。今、ここから飯田市の共に支え合う男女共同参画社会の新しいステージが始まることを確信して、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、佐々木博子さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     13時29分 休憩-----------------------------------     13時40分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 関島百合さん。 △関島百合 ◆6番(関島百合君) 皆さん、こんにちは。無会派の関島百合です。 望んだわけではないのですが、トリとなってしまいました。今定例会最後の一般質問となりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、質問に移ります。 8月26、27日に飯田市を主会場に有機農業研究者会議2021が開催されました。この研究者会議は、飯田市が長年公民館活動に取り組んでいる点と、松川町の有機に関する先進的な取組が決め手となり、飯田市での開催が決まったと関係者の方から教えていただきました。 そこで今回は、この研究者会議が開催された意義を振り返りながら質問を進めさせていただきます。 まず最初に、有機農業を生かしたまちづくりについてお尋ねしていきます。 この研究者会議には、有機農業の研究者や有機農業に関心を寄せる市民が全国から集まる予定でしたが、コロナの関係でオンラインのみでの開催となってしまい残念ではありましたが、農林水産省が今年5月に策定したみどりの食料システム戦略に基づく有機農業推進に関する具体的な説明や、アメリカとEUの事例発表、飯田市と松川町が登場した身近な話題などがあり、充実した内容でした。 開会に当たっての佐藤市長の来賓挨拶もオンラインで視聴させていただきました。佐藤市長はそこで、6月議会の一般質問の際に紹介させていただいた大分県臼杵市の有機の里づくりに触れ、10年頑張ればここまで来ることができると分かった。飯田市も10年先を見据え、有機の取組を着実に進めていきたいと挨拶をされました。この挨拶を聞き、有機は勇気がいる農業を長年にわたり経験してきた研究者の皆さんは、世の中が変わってきたとしみじみ感じたそうです。 また、臼杵市の有機の里づくりを追ったドキュメンタリー映画「100年ごはん」の上映会と座談会も市民により、完全オンラインで26日の夜に企画されました。私はこれにも参加しましたが、お風呂上がりの佐藤市長が突然振られ、松川町と一緒に南信州地域全体で有機の取組を進めていきたいと発言されたことは、座談会に参加していた皆さんの心に強く響いたと感じました。 そこで、改めて有機農業研究者会議2021で全国に向けて佐藤市長が挨拶した思いと、「100年ごはん」の座談会で発言された佐藤市長の思いをお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 佐藤市長。 ◎市長(佐藤健君) 今、飯田市を主会場ということで開催されました有機農業研究者会議2021年、それからそれに関連して行われました100年ごはんin伊那谷というイベントについて御紹介をいただきながらの御質問でした。 直接関わっていない、視聴されていない議員、職員がほとんどだと思いますので、少し分かりづらかったかもしれませんけれども、飯田市が先ほど議員が御紹介されたような理由で会場に選ばれて、有機農業の研究者の皆さんが集う、そういった研究集会が行われたということであります。 まずは、この飯田を主会場として開催された研究者会議の関係者の皆さんに、本当に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。 そこで、私のほうから御挨拶申し上げた中身というのは、私が大分県庁に勤めているときに、その最後のほうの1年ぐらいだと思いますけれども、先ほど紹介のあった臼杵市という人口3万ぐらいの市の取組がちょうど始まったところでした。土づくりセンターというのをちょうど私が大分県庁の最後の1年ぐらいのときに企画して、私は多分計画段階のものをお聞きして、まだ大分県にいるときには完成していなかったんじゃないかと思いますけれども、その土づくりセンターをつくって、土づくりから始めようとしていた臼杵市の姿を当時見ていたわけですけれども、それから10年たって今の臼杵市がどうなっているかというのをこの研究者会議で御挨拶させていただくに当たって調べさせていただいたところ、10年たつとここまで来るんだなというのをしみじみ思ったということを御挨拶で申し上げたということです。 農業というのは自然を相手にした取組ですので、一朝一夕に、一足飛びにいけるものではないというふうに思いますけれども、土づくりからじっくり取り組んだ臼杵市が有機農業の里として今や全国で認められている場所になっている、10年しっかり取り組むとそういう場所になるんだなという感想を込めて御挨拶をさせていただきました。 飯田市もまだまだ始めたばかりというか、これから始めるというところですが、有機農業といいますか、農業を大事にしたまちづくりというのを取り組んでいくことで、10年後には臼杵市のように全国からも注目されるような、そんなまちづくり、農業がこの飯田下伊那でつくっていけたらいいなというふうに思っております。 今回そういったわけで事務方も関わらせていただいて、この研究者会議を関わらせていただいたわけですけれども、そのことによっていろんな人脈もできたと思いますし、また松川町と連携しながらこの地域を全体としてそういう農業を生かしたまちづくりが進められればいいなという思いも込めてお話をさせていただいたわけであります。農業というのは、本当にいろんな方々が関わっていく仕事ですので、なかなか、例えば飯田市だけでとかということでやるよりは、いろんな方々と連携しながら進めていくことがいい形で進められることだと思いますので、そういった意味でも松川町、飯田市だけではなくて、この地域全体でいけるといいなというような、そんな思いもお話をさせていただきました。 ぜひ、今回つくれた全国の皆さんとのネットワークも生かしながら、農業を生かしたまちづくりを進めていければというふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) ありがとうございました。 松川町の有機農家さんから佐藤市長の挨拶に感動したというコメントが届いております。 続いて、映画「100年ごはん」について、もう少し紹介させていただきます。 映画「100年ごはん」では、森と海、山、川、農業、食、人の輪といった、これらが全てつながっている様子が描かれていました。つながることの大切さと、つながることで結果が生まれてくるという点には、私は感銘を受けました。 また、臼杵市では、ふるさと納税の2割近くを有機農産物が占め、6年間で1,300人増加した移住者は、有機給食や有機農業を移住の理由の一つに上げているそうで、安心・安全だけで語られがちな有機農業が地域づくりの一端を担っていることも分かりました。 このように、有機農業の持つ可能性は大きなものがありますが、一方でこれまで地域の農業を支えてきてくださった皆さんへのリスペクトも忘れてはいけないと思います。このため、有機農業を含めた南信州地域全体の農業の価値を上げ、分断ではなく、つながることで生まれる価値を見いだすことができる農業の潜在力を生かした多面的な施策を切望します。 そこで伺います。 有機農業研究者会議2021を案内するチラシを見ますと、後援が農林水産省、長野県、南信州広域連合、飯田市、松川町となっています。この研究者会議の準備に関わった飯田市が今回得たものと今後の展開についてお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 先ほど市長もそのようなことを申しておりましたけれども、今回飯田で開催されたということで、日本有機農業学会をはじめ、多くの関係の皆さんと人脈をつくることができたということが財産だったと思います。 今後、先ほどから松川町とか出ておりますけど、地域の中で取組を進めていくに当たっては、こういった今回得た人脈をしっかりと生かせてもらって、様々な取組に結びつけていくことができるんじゃないかと、こういうふうに考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) この研究者会議というものは、元来、つくば市で毎年行われていたようですので、それを研究者だけのものにはしたくないという趣旨で最近地方でも開催されるようになったと聞いておりますので、有機農業の研究者の皆さんもこの地域に来たいと思っているはずですので、市民との交流の場の設定みたいなものも併せて検討をお願いいたします。 次に、有機農業への支援についてお尋ねします。 有機農業研究者会議2021で発表する機会を得た南信州ゆうき人は、佐藤市長のふれあいトークにも参加しています。今後の有機農業や給食を考える上で、この地域では要になる団体だと思われますので、南信州ゆうき人の発足した経過と今後の活動についてお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 南信州ゆうき人という団体のことでということですけれど、これは有機農業推進法が2007年に制定されたわけですけれど、このときを契機に飯田市としては特別栽培、これは減農薬・減化学肥料栽培、これを推進するために関係者に呼びかけまして、当時、人と環境に優しい生産者ネットワークというものを設立したと。このことをきっかけに、このネットワーク参加者の中から作る人、売る人、加工する人などが一つのテーブルを囲み、いろいろな環境保全を視野に入れた農業の在り方を考える、そういう組織ができてきて、これが南信州ゆうき人ということになっていったということでございます。この南信州ゆうき人は、現在30弱の個人・団体が名を連ねて、飯田市の農業課がここに参加させていただいております。 この南信州ゆうき人は、既にこの地域で有機農業や環境に優しい農業の普及を実践されているということから、今後、飯田市が有機農業に推進していくというか、支援していくと、その上では生産、それから運送、販売、こういった面で実績のある南信州ゆうき人としっかりと連携して取り組むことが大事かなと、こういうふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 私も南信州ゆうき人の皆さんと話をさせていただいておりますが、皆さんが最近の有機ブームに浮かれるそぶりも見せず、冷静沈着に地域の有機農業と給食を考えている様子を拝見してきました。 有機の取組をさらに一歩前へ進めるためにも、今後どのようなお考えをお持ちでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 有機農業は、いわゆる従来の慣行農業、いわゆる一般的に行われている農業に比べて高い栽培技術が求められる。それから、化学肥料が使用できない有機農業においては、土壌の力を最大限生かすと。完熟堆肥などを用いた土づくりなどが重要になってくるということでございます。こうした土づくりとか栽培技術は、それぞれの生産者の創意工夫によるところも大きいんですけれども、やはり普及拡大させていくというためには、研修会だとか情報共有ができる機会や場所の提供、それから指導者の育成、こういったことが必要と思います。 それから、有機農業にはいろんな有機JASという規格のほかに、県の信州の環境にやさしい農産物とか、それからエコファーマーなどの認証制度があるとか、それから減農薬・減化学肥料などの栽培もあるだとか、なかなか難しいという面もございます。ですので、域産域消の観点から、地域の中での流通も考え、それから慣行農業ですね、一般的に今まで行われている農業からの転換のしやすさ、こういったことを考えていくと、地域の中でも何らか一定の価値を有機農業に、有機に取り組む皆さんが一つの目安になるようなものが必要じゃないかなあと、国の基準とか県の基準とかいろいろこっちの基準はこうだ、あっちの決まりはこうだといろいろあるとなかなか統一がしていけませんので、そこで分かりやすくイメージとしていえば、飯田市が取り組んできている環境ISOでいえば、南信州いいむす21というんですね、地域版の環境の基準がございますので、イメージでいうとそういったような仕組みを構築していけるといいかなというような、それを南信州のブランドとして地域を挙げて打っていけるといいかなと。例えば、そんなようなことも考えていけるといいのではないかなあと思っております。 それから、やっぱりこうやって有機農業というのは、どうしても手間や経費がかかる。そうすると、その生産物が割高になりがちということもございますので、先ほど申し上げたような、地域の何らかの目標や基準を研究しながら、一方で消費者の皆さんにも環境に優しい食材であるということに価値を見いだしてもらって、積極的に選んでもらえるような、そういう意識づくりも併せてやっていく必要があるかなと考えています。ちょっと長くなっちゃってすみません。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 有機農業の根幹となるのは土づくりだと、盛んに最近言われるようになっております。そのための肥料には生ごみを発酵させたものや草を発酵させたもの、間伐した樹木と家畜のふん尿をミックスして発酵させたものなど様々あり、農法もそれぞれです。松川町のほうではいろんな講座を開いておりまして、様々な有機の農法を示しておりますので、飯田市もそのような方向で講座を開いていただければ、興味のある市民の方には面白く思ってもらえると思いますので申し添えます。 あと、有機農業は新規就農者に向くと言われていますので、有機農産物の確保に向けては、有機農業を始めたいと考える移住者をこの地域にいかに呼び込むかもポイントになると思います。 あと、有機への理解については、6月議会で専門家を交えたワークショップの開催を私のほうから要望させていただいておりますが、映画「100年ごはん」の上映会を飯田市主催で開いていただければ多くの方に分かりやすく伝わると思いますので、こちらの検討もぜひお願いいたします。 あと、有機の里づくりを進める大分県臼杵市には有機農業推進室があり、4人の職員と2人の指導員がいるそうですので、この点も参考にしてください。 有機農業の推進のためには、県や国の研究者をはじめ、民間の知見の活用も必要だと思いますので申し添えます。 次に、有機食材を生かした地域産品の販路拡大についてお尋ねします。 域産域消、いわゆる地産地消の概念は定着しています。その上で、次のステップとして有機食材を生かした地域産品の開発、支援について伺います。 近年、飯田市内にあるスーパーにも有機大豆を使った納豆や豆腐、豆乳などが並ぶようになりました。私の地元には、新聞紙を使って雑草の繁茂を抑えて栽培した大豆を使い、手作りみそを仕込むグループがあり、私も参加させていただいておりますが、近年そのみそは地元の文化祭での人気商品になっています。有機JASの認証を取得して有機みそを製造販売する企業も地元にありますので、そうした土壌に立ち、有機食材を生かした地域産品の開発や販路への支援についての考えはいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 今の御質問は、次にいわゆる加工販売のようなお話だったかと思います。 それで、そういうことに取り組んでいく中で、先ほど申し上げましたように、有機農業の生産物に価値を見いだしてもらい、積極的に選んでもらえるような意識づくりの取組ということも申し上げましたけれども、まずは有機の生産物を今、幾つかの保育園の給食に取り入れていけないかということで調整を進めています。その上で、今加工の話がございましたけど、いわゆる地域産品の販路拡大の一例として、今年2月に南信州地産地消推進協議会と、こういうものが設立されまして、その中で「農+食・観光」と、こういう視点から地元の産品を地元の飲食店や宿泊施設で利用してもらう仕組みづくり、これまちの八百屋機能と言っていますけど、こういうことも今取組を始めまして、徐々に効果が出てきています。これは、まだ有機の食材ということではないんですけれども、そういうサイクルの中に有機食材が活用されるように、段階的にいろいろ進めていければと思います。 それから、今ようやく質問のところですけど、加工販売のお話だったかと思いますが、今エス・バードでは、地元の食品製造や販売促進の支援にも取り組んでいますので、農産物のブランド化、高付加価値化の支援、それから食品の試験機器もいいものが入っていますので、そういうものも活用しながら食品の開発とか、さらにはマーケティングやプロモーション、パッケージデザインなどの支援も幅広く行うようにしておりますので、先ほど幾つかの事例、御紹介ありましたけれども、地域の中でそういうことに取り組んでいかれるような方がおりましたら、ぜひまたエス・バードのほうにも相談をかけていただいて、御利用いただきたいと思います。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 学校のほうでは給食、ちょっと規模が多くて取り組むのがなかなか難しいので、まずは保育園からということだと理解しました。 あと、エス・バードは、私からは工学分野のイメージが強くて近寄り難い施設になっていますので、今後、食品等を活用した講座や支援が広がれば、女性たちからも親しまれるエス・バードになっていくと思いますので、こちらも検討をお願いいたします。 あと、飯田市はかつて発酵のまちづくりに取り組んだ経緯がありますので、そのときの経験を生かし、例えば先ほども申し上げましたが、みそは需要がありますので、発酵と有機を絡めた地域産品のブランド化の検討もお願いいたします。 あと、原料となる農産物を地元で調達するには課題が多々あると思いますが、先ほどお伝えしましたが、新規就農者の確保も念頭に工業課と農業課、ひいては結いターン移住定住推進室とも連携して進めていただくことを要望いたします。 あと、先ほど串原部長さんのほうから南信州いいむすという御紹介を受けたんですけれども、そういったことに絡めて、飯田市独自の農産物の認証制度を設けるというお考えについてはいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) そういう方向でいろいろ話合いを、研究を進めていけるといいかなと、関係者の皆さん含めて。そのときにイメージするのは南信州いいむすみたいな形のものをやれればいいなと、こういうような方向で思ってはおります。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 次に、学校給食への有機食材導入の進捗状況についてお尋ねします。 6月議会での一般質問の際に、学校給食における有機食材の利用を進める具体的な取組に関して、代田教育長から早速今週中にもという答弁をいただきましたので、その後の進捗状況を教えてください。 ○議長(井坪隆君) 松下教育委員会参与。 ◎教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 第2回定例会で一般質問をいただいた以降の取組でありますけれども、まず生産農家の皆さんと学校給食に携わる調理現場の職員とのつながりをつくるところが必要だろうということで、一般質問をいただいた直後の週末に有機野菜の生産グループである南信州ゆうき人の皆さんと市長との懇談を持ちましたけれども、その場には学校教育課の給食担当と調理場の栄養士、また農業課の担当も出席をして、情報意見交換を行いました。 特に、ゆうき人の皆さんからは、有機JAS認証を取得している生産者はまだまだ少ないけれども、化学肥料・農薬を用いない、あるいは少量の使用に抑えて生産されている農家の方が一定程度おいでになって、生産の手がかり、足がかりがあるということを調理現場の職員も認識をしましたし、また調理の現場からは、短時間に調理して配食している調理場ならではの課題もありますので、そういったことをお話ししながら情報意見交換をさせていただきました。 7月には、市内の有機野菜の生産農家の皆さんのところを学校教育課の職員、また農業課の職員で訪問して、圃場での情報交換をしました。8月にも予定をしておりましたが、これちょっとコロナの関係で中止になりましたけれども、これまでそういった動きをして、学校給食におきましては、できますれば、次年度から取組を何らかの形でアクションを起こせれば、そんなことを考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) そうしますと、見えてきた課題と今後に向けてはいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) こうした取組の中で、今現在見えてきた課題ということですが、学校給食は1日に調理する量が多い。そのため、日々の給食を献立どおりに提供するのは、指定した日に必要な食材を必要な分量を間違いなく納品してもらうことや、調理に際しては、限られた時間内に滞りなく作業を進めるために一定の規格にそろえることが求められています。分量を確保するために生産供給体制を整えること、また再生産が可能な適正価格での購入や配送方法など、流通に関する調整も必要である。これらが現状での課題と捉えています。 そして、今後に向けてですが、学校給食で使用する食材は地域の生産者が作った農畜産物を地域内の流通販売に関わる皆さんを介して納入してもらい、調理場で丹精込めて調理してもらうことで、子供たちには安心・安全な農産物を提供し、同時に地域内の経済の循環や農業振興につなげていくという域産域消の進める視点に立って、まずは地元産であることを大事にしていきたいと考えています。その上で、なるべく化学肥料や農薬等の使用が少ない安全な食材を使っていきたい。 現在、飯田市では、週5回の米飯給食のお米は地元産を全量使用し、化学肥料や農薬を減らして栽培したこだわり米を優先的に使用しております。その他の食材についても、幾つかの保育園での取組状況を見ながら、できれば来年度対応可能な調理場で部分的にでも、地元産で化学肥料や農薬の使用の少ない野菜を使った献立を試験的に導入することを目標に検討を進めていきたいと考えております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 地元産の使用というのは大切だと思いますので、ぜひ進めてください。 あと、私がここでお伝えできることなんですが、野菜の規格についてです。野菜のふぞろいが調理場の機械を通す際のネックになるといったことをよく聞くんですけれども、このことは松川町の担当者から聞いたんですが、農家の皆さんに大きさをそろえて出荷してもらえば何も問題ないよと言っていましたので、その点参考にしてください。 あと、有機農業は労力がかかることから、農産物の価格が高めになってしまいます。このため、千葉県のいすみ市では従来の給食費からの値上がり分の500万円を市が補填していますので、その点も検討してください。 あと、先ほども出たんですが、飯田市独自の認証制度が整って広まっていけば、有機農産物というか、安心・安全な農産物は今後数が増えていくと思いますので、その認証制度のほうもよろしくお願いいたします。 あと、そういった野菜が不足してしまっても地元産の農産物で補うなど、できることから無理なく始めていっていただきたいと思います。例えば松川町や臼杵市は、ニンジン、タマネギ、ジャガイモなど取り組みやすいものから始めていますので、まずは先進事例を研究していただきたいと思います。 次に、災害から暮らしを守るために気候変動による豪雨へ備える森づくりに関し何点か伺います。 初めに、ナラ枯れについてですが、カシノナガキクイムシによるナラ枯れは飯田市でも近年顕著になり、カシノナガキクイムシと共生関係にあるナラ菌が繁殖しやすい幹が太いナラが枯れています。そこで、飯田市のナラ枯れの現状について教えてください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) ナラ枯れですけれども、この飯田市内でも全域で確認されてきておりまして、特に天龍峡、山本、三穂、南信濃地域において目立っているという状況で、春には天龍峡の公園付近で伐倒破砕処理なども実施し、冬にかけてもまだ順次駆除していくと、こういう予定でおります。 これ、生活様式の変化が背景にあるということだと思いますけれども、ナラ枯れというのは樹齢の大きい個体に発生しやすいということでございます。過去には薪山として利用されていたんだけれども、今そういうふうではなくなってきたので、こういうことが起きてきているんではないかと言われているということでございます。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 今駆除というお話が出たんですけれども、松枯れもあるんですけれども、ここではナラ枯れについて伺います。 カシノナガキクイムシの殺虫処理やナラ菌の繁殖を抑える殺菌処理が現地で行われています。森林は水を育むという観点から、ナラ枯れに対する殺菌や殺虫処理は万全を期して行われていると思いますが、この点はいかがでしょうか。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 今、殺菌や殺虫処理、これは万全を期して行われているかということだったと思います。 このナラ枯れした被害木は、薬剤を使用した薫蒸処理という方法や、もしくは山から被害木を持ち出して破砕処理する方法といったようなことをしておりますけど、今の薬剤を使用した薫蒸処理のほうですが、これ基本的には松枯れの処理で行う薫蒸と同じ薬剤で、方法も基本的には同じです。ナラ枯れのほうが少し処理の手が込むものですから処理の単価は少し高くなるそうですけど、基本的には松枯れと同じ方法ですので、ナラ枯れの処理以上の害が出ないように、松枯れと同じように万全を期して行っております。 それで、ナラ枯れのことも含めて、森林の持つ水源涵養機能、それから貯水機能など、非常に重要な森林の持つ多面的な機能というのがございますので、ナラ枯れのことも含めまして、市としても国や県とも協力しながら、補助をいただきながらしっかりと森林の整備作業を進めていきたいと、こういうふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 山の貯水機能ということをお聞きしましたので、豪雨災害に備えて山の保水力を高める森林整備にはどのような課題があるのか教えてください。 ○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。 ◎産業経済部長(串原一保君) 森林整備の課題ということでございますが、森林整備を進めるには、まず森林の所有者の確定が必要ということでございまして、今、森林所有者の世代交代等から所有者不在の森林が増加しまして、整備がなかなか進められないという状況にございます。 ですので、これは国土調査外の山間部において、所有者情報をより精度の高いものにするためにデータ整備をして、そしてまた所有者の意向を調査して森林の施業ができるところを増やしていくと、まずこういう取組が一つでございます。所有者の問題。 それから2つ目として、森林整備を担っていただく技能職員の高齢化や人数の減少の問題ということで、これも全国的な課題でございますけれど、今、森林環境譲与税を有効に活用して人材育成や担い手の確保のモデルを森林組合と連携して構築していこうというふうに今しております。それで、これ例えばのイメージですけれども、できることなら家族連れで、例えば遠山郷に移住して森林の技能職員になってもらえるというような、新たな人材探しも含めていろいろと検討していきたいと思っております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 農業もそうですが、林業でも担い手不足が切実なのが分かりました。飯田市の森林面積は約8割と言われていますので、昨日、福澤議員が指摘した森林環境譲与税を活用しながら、所有者の不在の減少に努めていただきたいと思います。 あと、本日、新井議員が里山の管理について言及しましたし、福澤議員の質問の際には、飯田市が間伐に取り組んでいる様子が分かりました。間伐によって地表に日が差し込み、下草がしっかりと生えた森林は、針葉樹の人工樹林でも根の張りがよく、保水力が高くなることは、森づくりにも取り組む臼杵市で実証されていますので、さらなる森林整備に向けた人材の育成にも森林環境譲与税の活用をお願いいたします。 最後の質問になります。 これまでは、森林整備に関した山の保水力についてお聞きしました。今年はお盆に続いた豪雨の後もスコールのような激しい雨が降り、不安に感じた方も多かったと思いますので、河川を管理する土木工学の立場から、山の保水力をどのように捉えているのかお聞かせください。 ○議長(井坪隆君) 米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 適切な森林の整備は山の保水力の増加につながるということで、流出計数の低減につながりますので、水路ですとか河川、あるいはそこへ入ってくる流入水量の減量と排水施設における増水ピークを遅らせ、水位の上昇を抑える効果というものが期待できます。 したがって、防災機能の向上、あるいは災害リスクの低減につながるというふうに考えておりまして、非常に重要というふうに思っております。 ○議長(井坪隆君) 関島百合さん。 ◆6番(関島百合君) 森林整備が大切なことがよく分かりました。 しかし、人の手が森に入らなくなり、森林資源を利用しなくなったことがナラ枯れの原因と言われる一方、土中、いわゆる土の中の環境の劣化がナラ枯れの原因とする説もあります。落ち葉や枝が絡み合ってふんわりと固定された地面を音を立てながら歩いた経験は誰にでもあると思いますが、この部分を腐食層と呼びます。これは、安定した森の下にできる堆積層です。建築資料研究社の「土中環境 忘れられた共生のまなざし」という本の著者、高田宏臣さんはここで、全国各地で腐食層の消失が報告されている。それは国土全体で進行する森林の劣化や松枯れやナラ枯れにとどまらず、毎年広域化する水害や土砂崩落といった災害の急増とも連動していくと記しています。 治水や防災には土木工学の力も必要ですが、基本は先人たちが共に歩んできた森を健康に保つ森づくりです。樹木をはじめとする多くの命が生きられない環境の中では、人が生きることも困難になります。こうした点も踏まえた森づくりと河川管理をしっかりとお願いいたします。 最後に、有機農業の土づくりと森林の土づくりはつながっているということを申し添えて、私からの一般質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(井坪隆君) 以上で、関島百合さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     14時20分 休憩-----------------------------------     14時32分 再開 ○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。----------------------------------- △日程第4 議案審議 ○議長(井坪隆君) 日程に従いまして、本日上程となりました議案の審議に入ります。 議案第93号「工事請負契約の締結について(過年発生土木施設補助災害復旧事業橋りょう架設工事)」と議案第94号「令和3年度飯田市一般会計補正予算(第6号)案」の以上2件を一括議題といたします。 朗読を省略し、直ちに執行機関側の説明を求めます。 初めに、議案第93号について、米山建設部長。 ◎建設部長(米山博樹君) 議案第93号について御説明を申し上げます。 本案は、過年発生土木施設補助災害復旧事業の請負契約の締結について、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を求めるものでございます。 契約の目的は、令和2年の7月豪雨により被災した市道橋に係る令和3・4年度過年発生土木施設補助災害復旧事業橋りょう架設工事でございまして、施行の場所は市道1の南信濃5号線、1級河川遠山川に架設する飯田市南信濃和田、中橋でございます。 契約の方法は、指名競争入札。 契約の金額は、5億6,430万円。 契約の相手方は、飯田市南信濃和田1387番地、株式会社近藤工務店、代表取締役、近藤龍治氏でございます。 説明は以上です。よろしくお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 次に、議案第94号について、佐々木財政課長。 ◎財政課長(佐々木学君) それでは、議案第94号について御説明申し上げます。 本案は、令和3年度飯田市一般会計補正予算(第6号)案でございまして、歳入歳出ともに7億3,797万9,000円を追加し、予算の総額を492億883万5,000円としたいとするものでございます。 内容につきましては、第1表 歳入歳出予算補正で御説明申し上げます。 第2条は地方債の変更でございまして、第2表 地方債補正で御説明申し上げます。 8ページをお開きください。 歳出から説明させていただきます。 2款総務費は10万円余の増額で、商業振興費におけるお買いもの商品券給付事業及び観光費における緊急経済対策事業の会計年度任用職員に係る社会保険料等共済費でございます。 4款衛生費は4,750万円余の増額で、抗原定量検査簡易キットを活用した水際対策事業の追加分を計上するものでございます。 7款商工費は2億4,220万円余の増額で、地域のささえあいお買いもの商品券の販売、配付による事業者支援に要する経費を計上するものでございます。 9款消防費は300万円の増額で、新型コロナウイルス感染症の第5波の終息に向けた感染防止対策の徹底を啓発するための経費を計上するものでございます。 10款教育費は1,010万円余の増額で、令和2年度飯田市成人式の中止に伴うレンタル衣装等のキャンセル料の一部補助に要する経費を計上するものでございます。 11款災害復旧費は4億3,480万円余の増額で、8月13日から14日にかけて発生した豪雨による被災箇所、計414か所の災害復旧事業費を計上するものでございます。 続きまして、7ページへお戻りください。 歳入でございますが、10款地方交付税は普通交付税を増額するもの、12款分担金及び負担金は農地の災害復旧に係る土地所有者の分担金を、14款国庫支出金は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を、15款県支出金は特別警報Ⅱ発出市町村等事業者支援交付金をそれぞれ計上するものでございます。 また、21款市債は農地、林道、公共土木施設の災害復旧費に係る地方債の額を増額するものでございます。 続きまして、6ページをお開きください。 第2表でございますが、地方債の変更でございまして、補助災害復旧事業及び単独災害復旧事業の事業費の増額に伴い、それぞれの限度額を変更するものでございます。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(井坪隆君) 議案に対する説明が終了しました。 ここで、議案2件に対する質疑通告を受け付けることといたします。 通告は、議会事務局において受け付けます。 通告はございますか。     (挙手する者なし) ○議長(井坪隆君) 議案に対する質疑通告がございませんので、質疑を終結いたします。 次に進みます。 ただいま議題としております議案2件につきましては、お手元に配付してあります付託議案一覧表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託し、審査を願うことにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(井坪隆君) 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。 9月27日は午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集くださりますようお願いいたします。 本日はこれをもちまして散会といたします。お疲れさまでした。-----------------------------------     14時39分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。  令和3年11月10日      飯田市議会議長  井坪 隆      署名議員     新井信一郎      署名議員     清水 勇...